スマート端末でかなえる遠隔診療サービス「ポケットドクター」誕生

IoTプラットフォームサービスを手がける株式会社オプティムと、医療情報のプラットフォーム提供を行うMRT株式会社は4日、国内では初となるスマートフォンやタブレット端末を活かした遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表した。全国1,340の医療機関から賛同を得ており、4月にも正式に提供を開始するとしている。

「ポケットドクター」は、オプティムのもつリモートマネジメントテクノロジーを再構築した技術と、MRTが培ってきた医療情報および医師・医療機関のネットワークを組み合わせることによって実現された遠隔診療サービス。医療を必要としている一般生活者と、遠隔地の医療専門家をつないで、“いつでもどこでもそばに医師がいる”ような次世代の医療体制・社会環境を構築する。

従来の電話を用いた診療相談などでは、医師は患者や相談者の話の内容からしか症状を判断することができなかったが、「ポケットドクター」であれば、手元のスマートフォンやタブレット端末に搭載されているカメラやウェアラブル機器を活かし、顔色や患部の状況、専用機器から収集される各種バイタルデータを確認することが可能となるため、より適確かつ具体的なアドバイスや診療が行えるようになる。

一般利用者も、やや体調が優れないものの病院に行く時間がとれないときや、少し異変を感じているけれど医療機関にかかるほどではないように思われ判断に迷うときなどに、「ポケットドクター」を用いれば、医師から必要なアドバイスをすぐに受けることができ、適切な対応がとれると考えられる。

「ポケットドクター」は3つのサービスからなる。1つ目は「かかりつけ医診療」で、いつも診察を受けている、あるいは初診を受けた医療機関に、どこからでも遠隔で再診を受けられるもの。医療機関が自宅から遠い場合や、高齢者などで通院移動に困難を伴う場合でも、気軽に再診を受けられる。

ユーザーはその場にいながらにして、保険適用しながら体調を相談したり、けがの患部を診てもらったりすることが可能だ。このサービスは当面の間、「ポケットドクター」参画の医療機関に無料で提供するとしている。

2つ目は「予約相談」で、相談者が「ポケットドクター」から医師の時間を予約し、全国の各専門医を探して健康相談が行えるサービスだ。近隣に専門医が見つからない場合や、かかりつけ医の意見とは別にセカンドオピニオンとして別の医師に相談したい場合などに活用できる。利用料は5分1,500円からで、「かかりつけ医診療」サービスに続き、順次提供を開始していく予定とされている。

3つ目は「今すぐ相談」で、24時間365日、いつでもどこからでも、すぐに医師に相談することができる遠隔医療相談サービスとなる。深夜の急な体調異変や、緊急的に医療機関へ行くべきか対処に迷うような症状が発生した場合に、短時間で気軽に医師の専門意見を聞くことができる。こちらは月額500円で、2016年度内の開始を予定する。

いずれのサービスにおいても、クリアな音声と高画質の映像や画像、バイタルデータを医師と相談者が共有することで、スムーズかつ適確な遠隔診療を実現する。医師は赤ペンでの書き込み機能や指差し機能を用いて、映してほしい箇所の指示や症状説明をその場で行える。

診療の合間を活用し、「予約相談」や「今すぐ相談」を受け付けることで、空き時間の有効活用が促され、医療機関以外の場所でも受け付けられる仕組みであることから、産休・育休中の医師も力を貸すことができるという。

「ポケットドクター」はiOS 8.0以降、Android 4.0以降対応で、一般ユーザー、医師・医療機関とも、手持ちのスマートフォンやタブレット端末に専用アプリをインストールすれば、利用を開始できる。

オプティムによると、今後はさまざまなヘルスケア機器やウェアラブルデバイスと連携し、ユーザーが自覚していないような情報も医師・医療機関と共有することで、深刻な疾患の悪化を事前に検知、早期発見と適切な治療が実現されるよう努めていくという。

またクラウドベースで、患者の病患データをサーバーで自動解析する技術も開発していきたいとしており、「ポケットドクター」を通じた質の高い医療を、国内はもちろん世界中に届けられるようにしたいともした。

（画像はプレスリリースより）




株式会社オプティム／MRT株式会社　プレスリリース
http://www.optim.co.jp/news-detail/19209

「ポケットドクター」　公式サイト
https://www.pocketdoctor.jp/