多言語音声翻訳の「VoiceTra4U」にAndroid版登場
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は9月1日、多言語音声アプリ「VoiceTra4U」のAndroid版をリリース、Google Playにて無償公開を開始したと発表した。これまでにiPhone向けiOSアプリが提供されていたが、Androidスマートフォンユーザーから寄せられた多数の要望に応えて開発、公開にいたったという。
「VoiceTra4U」は、話した音声を認識し、ごくシンプルな操作でその内容を翻訳してくれるアプリ。アジア、ヨーロッパの27言語(方言を含めると30言語)をカバーする多言語翻訳が可能で、日本語や英語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語など17言語は音声入力が可能で、14言語は音声出力もできる。
1台の端末で翻訳結果を確認できる「シングルモード」と、最大5台の複数端末を接続して、どこにいてもリアルタイムに会話できる「チャットモード」を搭載する。「チャットモード」では、会話内容が相手のそれぞれの言語に自動翻訳される仕組みとなっている。
さらに言語のみならず、視覚障がいのある人との音声会話や、聴覚障がいのある人とのテキストによる会話も可能で、コミュニケーションモダリティの壁を越えるものとなることも目指しているという。
(画像はプレスリリースより)
NTTBPの無料Wi-Fiアプリとの連携も実現
今回のAndroid版公開とともに、NTTブロードバンドプラットフォーム株式会社(NTTBP)と協力関係を結び、同社が提供する無料のWi-Fi接続iOS/Androidアプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」との連携も実現させた。
「Japan Connected-free Wi-Fi」は、全国約82,000アクセスポイントの無料Wi-Fiを簡易接続で利用できるアプリで、今後、訪日外国人による利用が大いに期待されている。この「Japan Connected-free Wi-Fi」に「翻訳ボタン」が新設され、これをタップすれば「VoiceTra4U」がすぐに起動されるようになった。その端末で「VoiceTra4U」がダウンロードされていない場合は、自動的にダウンロード画面に遷移する。
NICTによると、これらの施策は総務省が推進している「グローバルコミュニケーション計画」の一環として実施されているもので、東京五輪の開催を前に、世界の“言葉の壁”をなくす多言語音声翻訳の社会実装を目指す計画で進められているという。
独立行政法人 情報通信研究機構 プレスリリース
http://www.nict.go.jp/press/2014/09/01-1.htmlVoiceTra4U サポートページ
http://www.ustar-consortium.com/app_ja/app.html