NTTら、フィリピン台風被災地で移動式ICTユニットの実証実験を実施

日本電信電話株式会社（NTT）およびNTTコミュニケーションズ株式会社は25日、2013年11月の台風で甚大な被害を受けたフィリピン、セブ島の被災地において、「移動式ICTユニット」を用いた実証実験を行うと発表した。日本の総務省、フィリピン科学技術省、さらに国際連合の専門機関のひとつである国際電気通信連合（ITU）の協力のもと、国連プロジェクトとして実施する。

実証実験の期間は、2014年12月から2015年9月まで。「移動式ICTユニット」とは、車載型の「ICTカー」やアタッシュケース型の「ICT-BOX」に必要物を収めたもので、大規模災害時などに現場へ搬入・設置して、通信の即時回復を可能にするシステム。避難所などのスポットを短時間でWi-Fiエリア化させ、通話やデータ通信を提供できるようにする。

また、データ収集システム機能およびデータセンター機能によって、安否確認情報などデータベースの構築や基幹システムの復旧も、迅速に実現することができる。東日本大震災の教訓を踏まえて、NTT、NTTコミュニケーションズ、富士通、東北大学が総務省からの委託を受けて協力、開発に成功した。

今回の実証実験では、セブ島の自治体職員や住民に協力してもらい、実際の環境下で、この「移動式ICTユニット」が提供する通話やデータ通信のサービスを試用してもらう。現地で用いる「移動式ICTユニット」は、NTTコミュニケーションズからITUへ提供するといい、富士通などとともに運営・支援を行っていく予定だ。

実際に利用してもらうことで、提案コンセプトや技術の有用性などを検証し、今後、世界で発生する大規模災害時の被災地支援として「移動式ICTユニット」を提供できるようにし、諸外国への適用・導入・普及活動を推進していきたいという。

また被災地ばかりでなく、通信インフラが整っていない途上国においてICT環境を即時構築したい場合などにも有用であると考えられ、引き続き「移動式ICTユニット」の高度化を進めるとともに、利用用途の拡大を検討していく方針とした。

（画像はニュースリリース添付別紙資料より）




日本電信電話株式会社／NTTコミュニケーションズ株式会社　ニュースリリース
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