中国のスマホ決済サービス「WeChat Payment」が日本に正式上陸

中国のインターネットサービス大手、テンセントホールディングスの決済サービスを展開するグループ企業であるテンペイは10日、スマートフォンを用いた決済サービス「WeChat Payment（中国名：財付通）」を日本に正式導入すると発表した。

国内での展開にあたっては、株式会社ネットスターズが代理店として運営し、導入店舗に対するO2Oサービスの推進は、ネットスターズのグループ会社、ウィ・ジャパン株式会社が担当するという。決済は信託スキームを活用し、サービスは主に中国人観光客を対象として提供していく。中国以外での展開は、日本が韓国に次いで2カ国目になる（香港ではすでに開始）。

「WeChat Payment」は、中国のSNS大手「WeChat（微信）」のユーザー向けとして、テンペイが提供している決済サービス。店頭での決済時にスマートフォンの「WeChat」アプリを起動させ、アプリ内でQRコードを表示、店舗側はあらかじめ決済用アプリをインストールしたiPad端末のカメラでこのQRコードを読み取り、支払いを確定させる。

発表によると、QRコードの表示から支払い確定まで、わずか数秒で完了するという。なお導入店舗は、専用の管理画面から「WeChat Payment」による支払い履歴を管理できる。

「WeChat」と連動したサービスとなっているため、「WeChat」内の公式アカウントで、フォロワーに対する情報発信が常になされている点が特徴だ。「WeChat Payment」決済を利用する際に、決済企業の公式アカウントをフォローすることを勧めるメッセージを表示させ、広告としても機能する仕組みになっている。

「WeChat」公式アカウントでは、店舗の場所や連絡先の基本情報をはじめ、お得なクーポンを提供したり、ブランドWebサイトへ誘導したりと、さまざまなマーケティング施策を展開することもできる。フォロワーが自分の友だちに情報をシェアすれば、新規顧客の輪も広がっていく。

「WeChat Payment」は、2013年にスタートしたサービスだが、中国国内で手軽な決済方法として急速に普及しており、2015年6月現在で中国全土の4億人が利用可能なサービスに成長している。中国ではモバイル決済の利用も年々増加しており、とくに20～30代の若年層ではひろく親しまれているそうだ。

“爆買い”などで何かと話題になる中国人観光客だが、日本政府観光客によると、昨年は240万人の中国人観光客が訪日したという。東京オリンピック開催の2020年に向け、その数はさらに増えてゆくものと予測されることから、決済の利便性を飛躍的に向上させる「WeChat Payment」にも高い注目が集まるだろう。

「WeChat Payment」導入第1号はジュエリー製造販売小売企業の株式会社サダマツによるドゥミエール ビジュソフィア イオンモール沖縄ライカム店で、飲食チェーン大手の株式会社コロワイドMDによる甘太郎新宿歌舞伎町店でも試験導入が決定している。今後は3年間で1万カ所への導入を目指し、サービスの展開を進めていく方針だ。




株式会社ネットスターズ　プレスリリース
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WeChat Payment（ネットスターズによるサービス案内ページ）
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