日産とDeNA、無人運転車の新交通サービス実証実験へ

日産自動車株式会社と株式会社ディー・エヌ・エー（DeNA）は23日、2社で共同開発を進めている、無人運転車両を用いた新交通サービス「Easy Ride」について、3月5日より実証実験を開始すると発表した。3月5日から、横浜市のみなとみらい地区周辺で実施する。

「Easy Ride」は、スマートフォンからいつでも使いたい時、使いたい場所で気軽に配車手配し、子どもや高齢者でも安全に行きたい場所へと自由に移動できる環境を実現するための無人運転車両を活用したモビリティサービス。

具体的な目的地を指定して輸送してもらうだけでなく、こんなものを食べたい、これを見たいなど「やりたいこと」をテキストまたは音声で入力し、条件に当てはまる周辺の候補地を提示させてその中から降車地を選択、該当地点まで連れて行ってもらうといったこともできる。

今回の実証実験では、自動運転技術を搭載した実験車両に、公式サイトで募った一般モニター約300組の体験者を乗せ、日産グローバル本社から横浜ワールドポーターズまでの合計約4.5キロに及ぶコースを往復運行、「Easy Ride」ならではの新しい乗車体験を実際に利用してみてもらう。

乗車中には、走行ルート周辺のおすすめスポット情報や、最新のイベント開催情報など、さまざまな情報コンテンツが車載タブレット端末を通じて提供される。店舗などで利用可能なクーポンも40件ほど用意され、あわせて提供されるといい、お得で楽しい、これまでにない移動をモニターに体験してもらう予定だ。

乗車後にはアンケートを行い、乗り降りや乗車中に感じたことなどからサービスを評価してもらうほか、モニターの周辺店舗と連動したサービス利用状況、実用化した場合の想定利用価格などについて情報を収集し、今後の実証実験や早期実用化に向けたサービスの開発に活かしていくとしている。

また、安心して乗車してもらえるよう、日産自動車とDeNAで走行中車両の位置や状況をリアルタイムに把握できる遠隔管制センターを設置、2社の技術とノウハウを融合させて実現したシステムの遠隔管制テストも実施して、検証を行う。

実験終了後には、無人運転による実際のサービス提供に向けたさらなる検討や運行ルートの拡充、一般の有人車両とともに走る環境下でも最適な車両配備におけるロジックや乗降時の安全なフロー確立、さらにはサービスの多言語対応など、幅広く開発と検証を進めていくという。

その後、限定環境でのサービス開始を経て、2020年代の早期には正式リリースできるようプロジェクトを推進していくとした。日産自動車とDeNAでは、「Easy Ride」により、自由で快適な移動社会を実現することはもちろん、今まで知らなかった街の魅力に出会える機会を増やし、地域経済の活性化にも寄与していきたいとしている。

なお今回の実証実験は、横浜市が2017年4月に立ち上げた「IoT オープンイノベーション・パートナーズ」の取り組みのひとつになっているほか、「自動運転ロボット利活用サービス」として、神奈川県の「さがみロボット産業特区」重点プロジェクトにもなっている。

（画像はプレスリリースより）




日産自動車株式会社／株式会社ディー・エヌ・エー　プレスリリース
http://dena.com/jp/press/2018/02/23/1/

「Easy Ride」
https://easy-ride.com/