この恋は叶う？「IBM Watson」を活かしたアプリがずばり答えます

ヤフー株式会社は10日、スマートフォン向けAndroid版「Yahoo！知恵袋」アプリにおいて、人工知能「IBM Watson」を活用した恋愛相談コーナー「『これって付き合える？脈ありチェッカーβ』with Watson」の提供を開始したことを発表した。

ユーザーがこのチェッカーに恋愛関連の相談を行うと、「Yahoo！知恵袋」の「恋愛相談」カテゴリに投稿・蓄積された過去のQ＆Aデータと照らし合わせ、瞬時に回答傾向を分析、成就の可能性があるかどうか、素早く答えてくれる。β版となっているように、今後ユーザーの利用実績などを鑑み、機能改良を加えていく予定という。

「IBM Watson」は、自然言語や機械学習などの技術を活かし、膨大なデータから課題に対する適切な回答を導き出して提案できるよう、学習を重ねていくコグニティブ・コンピューティング・システムと呼ばれる最新のテクノロジー・プラットフォーム。ヤフーでは、日本語版「IBM Watson」の活用について、今年2月から検討を進めてきており、今回活用検証の一環として、学習に適した大量なデータが存在する「Yahoo！知恵袋」領域で用いてみることを決めた。

「Yahoo！知恵袋」には、現在400超のカテゴリが存在するが、サービス開始当初から、とくに人気が高く活発なやりとりがなされているのは「恋愛相談」カテゴリだという。これまでに約450万件ものさまざまな恋の質問・相談が投稿されており、そのなかには、この恋が叶いそうか、気になる人がいるが脈はありそうかといった、“脈のありなし”について他ユーザーの意見を求めるものが多くみられるそうだ。

そこで、こうしたニーズに応え、脈のありなしを判定する「IBM Watson」を活用した機能を開発、今回のβ版公開に至った。

この機能開発にあたっては、「恋愛相談」カテゴリに投稿されたQ＆Aから学習データを作成し、「IBM Watson」の持つ機能のひとつ「Natural Language Classifier」を活用することで、さまざまなユーザーの恋愛相談に対応する回答モデルを構築している。

「Natural Language Classifier」は、入力される自然言語データの情報意図を解釈し、あらかじめ定義されているルールに従って分類することを可能とするAPIで、この場合、「脈あり」と「脈なし」への分類を実行する。

ユーザーはまず、気になる相手との関係性を「相手と目が合った」、「手をつないだ」など具体的な状況を含めて相談する。すると、「脈ありチェッカー」が回答モデルから即座に脈のありなしを判定し、診断結果として示す。結果は、その回答の確からしさを表す「確信度」とともに表示する仕組みで、確信度は百分率の数値で示される。

ヤフーでは現在、「IBM Watson」と膨大な集合知データを活かし、「恋愛相談」や「雑談」などの決められた回答が求められないタスクの対応に取り組んでおり、今回の機能は「恋愛相談」での脈のありなしを回答する診断結果提供にとどまるが、今後は対象カテゴリの拡大や、ユーザーの質問に自然な文章で回答するといったことも実現できるよう、さらなる開発を進めていくとした。

（画像はプレスリリースより）




ヤフー株式会社　プレスリリース
http://pr.yahoo.co.jp/release/2016/08/10b/

「『これって付き合える？脈ありチェッカーβ』with Watson」　特設ページ
http://topic.chiebukuro.yahoo.co.jp/app/myakuari/