メールの誤送信を人間工学の観点から防止！NTTソフトウェア

NTTソフトウェア株式会社は27日、同社の提供する市場シェアNo.1のメール誤送信防止ソフトウェア「CipherCraft／Mail 7（サイファークラフト メール セブン）」について、新たに人間工学の観点をプラスし、ヒューマンエラーによる誤送信リスクを大幅に減少させる新バージョンを開発、9月30日より販売すると発表した。

メールの誤送信は情報漏洩につながる重大なセキュリティ事故となり、多大な損害を発生させる契機になってしまう。しかし、ヒューマンエラーによる誤送信は、単純なミスながら、それゆえに完全になくすことが困難なものでもあり、防止システムなどがうまく機能しきれないところともなっている。

NTTソフトウェアでは、2003年から専用ソフトを販売してきたが、その中で多くの顧客インシデント情報を収集、誤送信を起こしやすい人間の行動パターンの抽出を行ってきたという。そうした経験から、メール誤送信をなくしていくには、ヒューマンエラーを起こしてしまう人間の特質を理解した上での対策が重要であるとの考えにいたり、今回、人間工学の観点を取り入れた大幅バージョンアップを図ることとしたそうだ。

人間工学の考え方においては、人による情報処理工程は「知覚」、「認知」、「運動（操作）」の3つで定義される。そこで新バージョンでは、この3要素から見出された誤送信防止の仕組みを新たに導入している。

まず「知覚」面では、従来製品においてとくに重要な確認すべき項目がわかりにくい可能性があったことを考慮し、誤送信を起こしがちな重要項目のみに視線が集中されるようデザインの見直しを行った。確認画面での情報量は最小限にとどめ、さらに文字サイズや太字フォントなどの強調表現を適切に用いることで、より視覚的に確認しやすいものとしている。

次に「認知」面として、無意識的な思い込みによる誤送信を未然に防ぐため、注意喚起の新たな仕掛けを追加搭載した。類似したメーリングリストや同姓同名宛てでの送信で、本人が正しいと思い込んでいる場合、そもそも特別な注意を払わないため、そのまま誤送信を実行してしまいやすい。

そこで新バージョンでは、送信履歴と比較し、初めて送る宛先について、送信時ボタンを通常とは異なる警告色に変えたり、メールアドレスのドメインから判断して宛先が同一の会社とみられればまとめて表示するようにしたりと、思い込みがある送信者にも注意・確認作業をとらせるようにしている。

さらに「操作」面では、繰り返し同様の行動をとっていると、慣れによって注意力が低下する点に着目。メール送信のたびに同じ確認画面が必ず表示され、似た確認動作を何度も行うことで、かえって重要な確認作業を怠らせてしまう可能性があることから、誤送信のリスクを自動的に判別し、リスクが低い場面ではあえて確認画面を出さず、確認が必要な場合に適切な確認画面を表示させる仕組みとした。

この表示の出し分けは「CipherCraft／標的型メール対策」と組み合わせて利用することによって実現可能となるもので、現在、特許を出願中であるという。

利用においては、永年ライセンス購入と、イニシャルコストが発生しない年間サブスクリプションのいずれかを選択する。永年ライセンス購入の場合、50ユーザで245,000円から。ほかに年間保守料金として、ソフトウェアライセンス価格の15％が初年度必須で必要となる。年間サブスクリプションの場合は、50ユーザで80,000円からとされている。

（画像はプレスリリースより）




NTTソフトウェア株式会社　プレスリリース
https://www.ntts.co.jp/whatsnew/2016/160727.html