いよいよ広がる？NTT ComがVR活用支援ソリューションをリリース

NTTコミュニケーションズ株式会社（NTT Com）は9日、企業向けの新サービスとして、VR（Virtual Reality・仮想現実）を活用したプロジェクトを展開できるよう支援するソリューションの提供を開始すると発表した。コンテンツの企画から制作、配信、効果検証までワンストップでサポートする。

昨年はさまざまなVR機器やコンテンツが注目を集め、VR元年とも呼ばれたが、本格的な多方面での活用はこれからといった状況にある。とくにVRコンテンツの作成技術や、大容量のVRコンテンツを配信できるプラットフォームなど、VR活用支援のためのソリューション提供に必要な全てを有する事業者はほとんど存在せず、サービスとしても整っていないため、市場が活性化していないのが現状だ。

そこでNTT Comでは、自社が有する企画立案力やそれを実現できる高度な制作・編集技術、安心してエンドユーザーへ配信できる信頼性の高い基盤プラットフォームの運用実績などを活かし、VRという新市場の確立に向けた支援ソリューションの提供を決めた。

各利用企業のニーズを聴き取り、魅力的な企画立案を目指すほか、撮影・CG編集、体験で用いるゴーグルなどの作成、配信プラットフォームや再生アプリの提供、そしてユーザーの視線ログを解析した高度な効果検証・分析までを一貫して手がける。

ユーザーにVRコンテンツを体験してもらう方法としては、最も一般的なものはゴーグルの装着となるが、ケースによってはそれが好まれなかったり適切でなかったりするため、通常のディスプレイより高い臨場感が得られる湾曲型ディスプレイに出力し、ゴーグルなしのダイレクトで楽しめるコンテンツとして配信するといったニーズにも応じる。

そのほかさまざまなコントローラーの用意が可能で、他社に先駆け、Apple TVのリモコンをコントローラーとするカスタマイズにも対応している。

さらに、NTTグループならではの技術組み込みにも応じるといい、NTTアドバンステクノロジ株式会社の「パノラマ超エンジン」を活用することもできる。「パノラマ超エンジン」を用いれば、ユーザーの視界に入る部分だけを高精細化できるため、臨場感の高いVRコンテンツの作成・配信・再生で必要となる画像／映像処理の負荷を抑えつつ、快適なVR体験を実現できるようになる。

映像以外のデータとして位置情報を同時に配信したり、限定されたユーザー間のみでセキュアに共有できるVRコンテンツとしたりと、活用シーンや要望に応じた高度なコンテンツ開発を多彩に展開させるとしており、ソリューションとしての柔軟性の高さもアピールポイントになっている。

なおソリューションの先行導入事例として、H.I.S.が同日より「プレミアムフライデー＆週末利用 冬の沖縄体験」VRコンテンツの提供を開始したことも明らかにされた。営業所内に専用ディスプレイなどを設置し、冬シーズンにおける沖縄の魅力、ツアーの魅力をよりリアルに体感してもらうものとなっている。

コンテンツでは、実際のツアーと同時刻に撮影した画像や映像が用いられており、ユーザーは空港を出てすぐに見える街の夜景から宿泊予定のホテルの様子、冬ならではの体験としてツアーに組み込まれているホエールウォッチングなどの全行程を、まさにその場にいるかのように、ストーリーに沿って仮想体験することができるという。

H.I.S.では、これにより店舗を訪れた顧客に、旅行のイメージをより具体的につかんでもらい、安心して申し込みを行ってほしいとしている。今後は今回のコンテンツによる効果検証を実施し、同様にVRを活用したツアー紹介の追加を検討していく予定だ。

（画像はプレスリリースより）




NTTコミュニケーションズ株式会社　プレスリリース
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