インテル、安全で便利な家庭向け宅内IoT PFの実証実験開始へ

インテル株式会社は12日、世界標準となる一般家庭向けの宅内IoTプラットフォームを実現すべく、関西電力株式会社、Kii株式会社、ぷらっとホーム株式会社と協力して、今月から実証実験を開始することを明らかにした。関西地区のファミリー世帯100戸を対象に実施する。

本格的なIoT社会の到来を前に、昨今はネットにつながるさまざまなデバイスが登場、膨大なデータが生成されるようになってきている。生成データは今後ますます増加すると見込まれ、これらのデータにおける安定した通信環境の維持、解析、利用が、新規産業やビジネスチャンスを創出、より利便性の高い暮らしを実現することにもつながると考えられる。

社会インフラとしてだけでなく、家庭内でも同様で、一般家庭においてもIoTの利活用が広がり、各種デバイス、センサー、家電などが収集するデータは爆発的に増大すると予想され、これらデータを個人情報の漏えいなど、セキュリティ面に配慮しながらうまく活用することで、経済活動の活性化と快適な次世代ライフスタイルの実現が促されるとみられる。

こうした社会状況を踏まえ、インテルでは宅内IoTにおけるインフラの確立と新規サービスの可能性を検証するため、まずオープンなIoTデバイス接続環境のもとでも、個人情報を確実に保護し秘匿性を確保、ネットに接続することで得られる利便性を支えるための宅内IoTプラットフォームの検証を行うことを決めた。

今回の実証実験では、対象世帯にインテルAtomプロセッサー搭載のゲートウェイとインテルQuarkプロセッサー搭載の環境センサーを設置する。

グローバルなIoT標準化団体であるOCF（Open Connectivity Foundation）で定義されたLinux Foundation傘下のオープンソースプロジェクト「IoTivity」に準拠する、日本初の宅内ゲートウェイプラットフォームを構築することになるといい、実験では、これを採用した異種デバイス間の相互運用性について検証を行う。

環境センサーで収集したデータは、個人情報として宅内に保持し、ゲートウェイで制御、必要時や緊急時にのみ信頼性の担保されたサービス事業社へ、匿名化を施した上で、有益なデータを提供していく。

実験では、参画するサービス事業社へのオープンなアプリ開発環境とAPIの提供を行い、これによって開発される新規サービスの検証も行っていく。モバイルヘルスケアや小売りサービス、保険・金融サービス、教育コンテンツサービス、旅行サービスといった領域の事業会社と連携して展開していくといい、具体的な社名などは後日公表予定としている。

なお、共同実施母体として発表されている関西電力は、電気代や使用料、エリア情報やお得なクーポン提供などを行う見える化サービスの「はぴeみる電」を家庭向けサービスの提供窓口として提供するほか、対象100世帯の実証環境を提供する。KiiはIoTクラウド環境を、ぷらっとホームは実証用の宅内IoTゲートウェイの提供を担当する。

インテルでは、今回の実証実験を通じ、宅内ゲートウェイによる端末付近での分析（エッジアナリティクス）を活用した、一般生活者向けの最適かつタイムリーなサービスの提供実現を目指すほか、容易な顧客セグメンテーションを活用した各種サービス事業社によるマーケティング分析・サービス事業の継続的拡大、OCF仕様に基づくIoTデバイスの相互運用性における飛躍的な向上とサービスアプリの開発促進を図っていくとし、安全で便利なIoTサービスを支える基盤づくりに努める方針を打ち出している。

（画像はプレスリリースより）




インテル株式会社　ニュースリリース（プレスリリース）
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