あの日の朝の全通信記録公開
10年前の
9.11。テロリストにハイジャックされた旅客機がニューヨークの世界貿易センタービルに突っ込み、やがて巨大なビルが崩れ落ちる様子は、今も多くの人の目に焼きついているだろう。
その日、そのハイジャックされた旅客機(
アメリカン航空と
ユナイテッド航空)と、
連邦航空局(F.A.A.)や
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)との間で交わされた全通信記録が、ラトガース大学法学部の「
Rutgers Law Review」で公開された。全記録の公開は初。AFP BBNewsが、9日、報じた。通信にはテロリストの肉声も含まれている。
[photo by
slagheap]
壮絶な肉声の記録
そして、その交信記録が
ニューヨークタイムズのサイトで視聴可能となっている。記録は午前8:13から午前10:32まで。タイムラインと、交信内容を文字起こししたもの、さらに、時間軸に沿って、ハイジャック機がどの地点を飛んでいるかを示す地図も掲載されている。
通信内容は、ハイジャックされた
アメリカン航空11便のキャビンアテンダントが、地上の予約センターに連絡、アテンダント自身も状況がはっきりとつかめない混乱した状態の中、パイロットが刺されたらしいことを伝える交信など、生々しく、緊迫した場面が続く。
リアルか?演習か?
F.A.A.からハイジャックの報告とF-16などのスクランブル発進を要請された
NORADの担当者は、すぐには事態を飲み込めなかったのか、
本当のことか、それとも演習か?
と聞き返している。
その日の朝、4機がハイジャック機されたが、
F.A.A.などの現場はハイジャック機がどこへ向かおうとしているのか、まったくつかむことができず、大混乱に陥っている様子がわかる。
NORADは戦闘機を発進させたものの、正確にどこに向かわせればいいのかわからずにいた。そうしているうちに、最悪の事態が引き起こされてしまった。

The New York Times
The 9/11 Tapes:The Story in the AirNewly Published Audio Provides Real-Time View of 9/11 AttacksAFP BBNews
「訓練じゃないのか」、混乱する管制官ら 9.11全交信記録を公開Rutgers Law Review
A New Type of War