米スタンフォード大研究者がついに開発!
バッテリーが透明?!そんな驚くべきものが大学の研究室で誕生した。このバッテリー、きちんと一般的家電で使えるという。米スタンフォード大、准教授イー・クイ氏らのグループが開発に成功した。研究に関する論文「Transparent lithium-ion batteries」は7月25日版の「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されたそうだ。
デバイスとしては、ディスプレイやキーパッドなどに関しては、一部が透明となったガジェットが登場してきている。しかし、これらも全てが透明というわけではない。その一因が、透明なバッテリーというものがないためだった。その開発不可能と思われた透明バッテリーが実現したというのが、今回の研究開発の驚くべきところだ。
実際には透明ではなく、透明に見せている
バッテリーを透明にした、とはいえ、やはりバッテリーに使う素材を透明にはできないそうで、実は、透明でない成分を目に見えないほど小さくして、“人間の目には透明に見える”バッテリーとして、この透明バッテリーを実現化したのだという。人間の目の分解能を逆手に取った開発だ。
素材はコンタクトレンズなどにも使われている安価なシリコンの一種。そのままでは電気を通さないため、溝を作り金属フィルムを蒸着させて、特殊な導電層をもうけ、さらにナノサイズの電極材を含んだリキッドを溝へと流しこんだそうだ。
このバッテリーは柔軟性もあり、素材が上のようなものであるから、コストも比較的抑えられているとのこと。現在の欠点としては、同サイズの一般的リチウムイオンバッテリーに比べ、出力が半分以下になってしまうところだそうだ。この点は今後改良されていく可能性もある。
クイ氏は
「スティーブ・ジョブズ氏にこのことを話したい。透明なiPhoneが欲しい!」
とコメントしているとか。透明なiPhone、透明な携帯端末…近々お目見えする日はやって来るか?

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Transparent lithium-ion batteries・
ITmedia(コメント引用)