加害者実名が拡散
大津市(滋賀県)の中学2年男子生徒が自殺した問題では、学校側や教育委員会、警察などの対応の甘さが次々と明るみに出るにともない、ネットも批判の声で炎上状態となっている。が、さらにそこに火に油を注ぐような出来事が発生した。
朝日新聞が7日、報じたところによると、フジテレビの情報番組
「とくダネ!」で、放送の際、氏名を伏せるはずの黒塗りが不十分だったため、それを判読できるように加工した映像がネットに出回ったという。さらに、その情報を元に、同生徒の顔写真、家族の情報までもが拡散したという。
ネットに事件のまとめページが登場
ネットでの反響の大きさは、ホームページレンタルサービスの
「@WIKI」に今回の事件の経緯や関連記事をまとめたページ
「【大津】中2いじめ自殺事件まとめ@ウィキ」が作られたことからも伺うことができる。
同ページへのアクセス数は7日だけでも50万アクセス(21時現在)を越えている。さらに、意見や要望を書き込むページも、新規ページを作る必要があるほど投稿されており、関心の高さを示している。
同ページは、確定・未確定含め、情報集約度は高い。たとえば、自殺直前の被害者と加害者のメールのやり取りとして、以下のような流れも掲載されている。
自殺前日に、『お前明日の登校時間に飛び降り自殺やれ。撮影すっから直前にメールよこせ』
↓
『今から死にます』メール送信
↓
『マジwwwあいつ飛んだしwwウケるw撮影wwwwww』
↓
『まさかマジで死ぬとはww馬鹿じゃねwwww』
(ただし、この情報は確定・未確定は不明)
加害者氏名を公表して楽しむのはいじめと同じ
同ページはもとよりTwitterにも、明らかになった(と思われる)加害者氏名がネットから消えないように、さらなる拡散を希望する動きも見られる。そのような動きにも理由がないわけではない。未成年者が加害者の場合、その氏名や写真は公開されない。そのため、法の下では、えてして被害者よりも加害者の方が庇護されているような印象を受けかねないからだ。
情報を求め、多くの人々がネットに集中するのは、加害者への憤りとともに、これまでの未成年者による事件で、多くの人々が釈然としない思いを抱えていることも、その理由として考えられそうである。
しかしながら同時に、Twitterには、
「いじめ加害者と、そのいじめ加害者の名前公表して楽しんでる人は結局やってることは同じ」
との意見もある。いじめは許し難い。しかし、こうした冷静な意見も顧みる必要はあるのではないだろうか。

朝日新聞:「いじめた少年」ネットに実名 フジテレビ画像に加工か
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201207070064.html@wiki:【大津】中2いじめ自殺事件まとめ
http://www48.atwiki.jp/tukamarosiga/