大日本住友製薬が新薬開発に活用
世界トップクラスのスーパーコンピュータ「京」がいよいよ本格稼働、実践での活躍へと動き出す。神戸市で28日より稼働開始することとなっている「京」を活用し、大日本住友製薬が新薬候補の絞り込み作業を行っていくことが明らかにされた。
医薬品開発では、研究の開始から発売まで少なくとも10年近くはかかり、20年弱という長い期間を要することも少なくない。実際に臨床試験を行うためには、一定の期間が必要で、新役として有望なものを絞り込む段階での期間短縮が、新薬開発、早期の投入へと進むスピードの大きなポイントになるのだという。
これまでは実験を手作業で繰り返し、候補を選抜していたが、この作業を「京」に担わせていく方針だ。
3年半が半年に短縮!
大日本住友製薬では、すでに社内のコンピュータを使った仮想実験で、この絞り込み作業にかかる手間と時間の短縮を図ってきたが、正確さを期すため、1日にできる作業としては、1たんぱく質に対し、1化合物を解析するのが精いっぱいだったという。
ここへ「京」を導入すると、1秒間に1京回の計算ができることから、1日に100化合物以上の解析ができるようになると見込まれている。実現すれば、通常3年半かかっていた作業が半年程度までスピードアップするそうだ。
日本の新薬開発界に、新薬の登場を待つ多くの人々に、光をもたらすものとなることを期待したい。

大日本住友製薬株式会社
http://www.ds-pharma.co.jp/index.html富士通 次世代スーパーコンピュータ「京」
http://jp.fujitsu.com/about/tech/k/