米連邦取引委員会に調査要請提出
Facebookが追加した新機能についての発表は先日伝えたが、この機能に異議が申し立てられた。米国時間9月29日、プライバシー保護団体の米電子プライバシー情報センター(EPIC)が、プライバシー上問題があるとして、米連邦取引委員会(FTC)に調査要請を書面にて提出したという。
今回、訴えの対象とされたのは、リアルタイムで友達のオンライン上での動きをみることのできる「Ticker」や、ユーザー自身の動きを自分史のように時系列表示する「Timeline」といった新機能、およびソーシャルグラフを外部サイトから利用できるようにオープンなものとした「OpenGraph」の強化である。
この新機能により、ユーザーは友達と音楽や動画などの情報も手軽に共有できるようになり、よりつながりを深めたり、広げたりすることができるというメリットがあり、参加する企業側には、利用登録を広く促すなど、サービス拡大のメリットがあるとみられている。
Facebook側は反論、今後の行方は?
EPICの申し立てによれば、この変更によって、Facebookがこれまで以上に参加企業にたいし、ユーザーの非常に個人的な情報を提供するようになるといい、プライバシー保護の観点から問題性があると批判している。さらにFacebookはユーザーがログアウトしたのちも、ユーザーの動きを追跡していると主張。この点も含め、Facebookのサービスを問題視し、調査を要請している。
この批判はEPICによるだけではない。米自由人権協会(ACLU)、消費者擁護団体であるConsumer ActionとCenter for Digital Democracy、米図書館協会など複数の機関も、今回の申し立てに賛同している。過去には、国際ハッカー集団AnonymousもFacebookのプライバシー侵害を批判していた。Anonymousは、その際これを理由に11月5日をXデーとして攻撃を予告しており、この日付も近付くなか、今後の行方が注視されるところだ。
当のFacebook側は、New York Timesの取材に対し、広報担当のAndrew Noyes氏が、ユーザーはオンライン上の活動を公開する範囲を自分で管理できるものとなっており、プライバシーの侵害には当たらないと反論している。同氏は新機能での音楽共有などのサービスについても、使うかどうかを選択するのはユーザー自身であり、問題ないと説明したという。
EPIC発表資料EPICによるFTC提出書FTCNew York Times Bits Blog(September 29,2011,5:53 PM By SOMINI SENGUPTA 参照)Facebook