地方自治体では稀、和歌山県内でも初
電子書籍の市場が少しずつ広がってきているが、図書館に足を運ばなくとも、パソコンやiPadで、電子書籍を借りて読むことのできる「電子図書館」が3日、和歌山県の有田川町で開館した。
電子図書館は、日本では国会図書館をはじめとし、大学の図書館、NPO団体の図書館など、一部で広がりを見せてきてはいるが、地方自治体で取り組むのは稀だ。同町の発表によると、和歌山県内でも初の試みになるという。
遠隔地や足を運びにくい人でも利用可能!
有田川町の電子図書館では、小説や絵本、語学教材など電子書籍の約1000タイトルを開館にあたり準備したそうだ。音声やアニメーションを交えたコンテンツ、3Dコンテンツなども提供されている。
有田川町は、住民が幅広く本に親しめる環境をつくることに積極的で、これまでにも図書館とカフェを融合した施設をオープンさせるなど、現代型の図書館像をつくりだしてきていた。今回も遠隔地に住む人や、足を運びにくい事情のある人、図書館へ行く時間が取れない人などにも、気軽に活用してもらえるようにと、民間企業が開発したシステムを導入し、電子図書館開館に至ったそうだ。
利用者は、インターネット上の専用ページでログインし、希望のコンテンツを選んでダウンロードして、その電子書籍(コンテンツ)を借りる。貸与の期間は1週間となっており、返却の期限が来ると、自動的に読めなくなる仕組みになっている。
今後、電子書籍が本格的に普及すれば、扱えるコンテンツも増え、よりサービスも充実するだろう。利用時間を問わず、足を運ぶ必要のない電子図書館は、ユニバーサルでユビキタスなものとしても期待される。
有田川Web-Library和歌山県有田川町