「Jコミ」から刷新してオープン!
株式会社Jコミは、同社がこれまで運営してきた電子書籍サイト「Jコミ」を改称し、「絶版マンガ図書館」として大幅リニューアル、サービスを強化したかたちで、11日に公開した。この「絶版マンガ図書館」では、絶版となった漫画の電子版を無料で読むことができる。
「Jコミ」は、漫画家である赤松健氏が代表として運営を行い、2010年から絶版となった漫画作品をデジタル化して配信してきていた。これまでその配信は漫画の作者からの申し出により行ってきたが、「絶版マンガ図書館」では、ユーザーから情報を募り、作者に働きかける仕組みをとるという。
“電子書籍版YouTube”のようなユーザーアクションをイメージしているといい、具体的には、まずユーザーが絶版と思われる手持ちの作品資料を「絶版マンガ図書館」にアップする。運営側はそれが絶版であるかないかを判断し、絶版で市場に流通しなくなっていると認められれば、数ページに電子透かしを入れて限定公開する。作品作者と連絡がとれ次第、広告付きでの配信がOKかどうか確認し、承諾が得られれば正式に無料公開となるという。
作者が公開・配信を拒否した場合、作品情報だけがマンガ版wikipediaに収められる。なお広告収益は「Jコミ」と同様に、全額作品作者の収入となるそうだ。
海賊版を撲滅し、漫画作品の保存を!
ネット上にはびこる海賊版を撲滅することも大きな目的としており、読者には正式に認められた「絶版マンガ図書館」で作品を楽しんでもらうように促しながら、米国デジタルミレニアム著作権法(DMCA)申請代行や、米Amazon.comの個人向け電子出版「Kindleダイレクト・パブリッシング」(KDP)への登録なども手がける。
出版社が判断した、利益が見込める作品だけでなく、あらゆる漫画作品の電子化による保存を目標に、文字通りの“図書館”化を目指していく。漫画のセリフ検索機能など、作品ライブラリーの機能や配信の仕組みも利便性をアップさせたほか、広告による収益性も強化、ユーザーにも作者にもメリットをもたらす工夫がなされているそうだ。
「絶版マンガ図書館」のアプリもiOSおよびAndroidのそれぞれが11日よりダウンロード可能となっている。さらにソフトバンク・イノベンチャーズと提携したライト層向けのiOSアプリも、今秋リリース予定という。

絶版マンガ図書館
http://www.zeppan.com/(株)Jコミの中の人(赤松健氏公式ブログ) 該当記事
http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20140707/p1