NTTソフトウェアが実証研究の成果を実用化、販売開始へ
NTTソフトウェア株式会社は24日、聴覚障がいのある児童生徒の日々の授業をサポートするツールとして、4月1日より「こえみる」の販売を開始すると発表した。先生が話す言葉を文字にして電子黒板やタブレット端末に表示させるもので、これまでの特別支援学校における実証研究の成果を実用化したという。
一般に、現在特別支援学校では、聴覚障がい児に対する授業で、教師は口話や手話などの多様なコミュニケーション手段を用いて指導にあたっている。しかし、生活や学習につながる言葉や文章を児童生徒に理解してもらうには、繰り返し教える必要があるほか、そうした手段では伝えにくいものも少なくなかった。
そこで、より多様な内容を効果的にすばやく身につけ、理解を深められるようなサポートツールを実現しようと、NTTサービスエボリューション研究所が「こえみる」を開発、その後NTTソフトウェアが製品化に向け、実証研究を行ってきていた。
先生の準備作業を軽減、授業内容の振り返りも簡単!
販売を開始する「こえみる」の実証研究は、横須賀市立ろう学校で行い、現場の先生からあがった要望を反映して完成させたという。
これまで伝えにくかった手話にない言葉、“しとしと”“ぽつぽつ”といった擬態語や尊敬語・謙譲語など、児童生徒の理解までに時間がかかった言葉を、先生の声からリアルタイムにテキスト化することで、理解促進を図るものとなっている。
また、学習内容と文字を結びつけて確認するため、その都度の板書で授業の流れが中断されないよう、事前に言葉を短冊に書いて準備しておくなど工夫が必要で、従来、先生に求められる事前準備作業が煩雑化しやすかったが、「こえみる」による自動テキスト化で、こうした時間と手間を削減することもできる。
授業内容の振り返りにおいても、板書と合わせ、事前に作成した短冊や掲示物などを使う必要があり、学習のまとめが行いにくかったが、「こえみる」では、授業の記録がそのまま残っているため、簡単に振り返ることが可能になる。
また、自宅でPCやスマートフォン、タブレット端末などから授業内容を閲覧することもできるようになり、より多様な環境での学びが効果的に行えるものともなると説明されている。
提供形態はクラウド型とオンプレミス型SIの2種類。実際に「こえみる」を体験し、効果を試すことができる、デモおよびトライアル環境の提供も行うといい、NTTソフトウェアが問い合わせを受け付けている。
(画像はプレスリリースより)

NTTソフトウェア株式会社 プレスリリース
https://www.ntts.co.jp/whatsnew/2014/150324.html