NICTが対災害SNS情報分析システムのリアルタイム版を試験公開
国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)は8日、耐災害ICT研究センターおよびユニバーサルコミュニケーション研究所において開発を進めている、対災害SNS情報分析システム「DISAANA(ディサーナ)」について、リアルタイム版の試験公開を開始した。特設公開サイトがオープンしている。
「DISAANA」は、SNSのTwitterに投稿された災害関連情報をリアルタイムに自動分析し、有用なものをピックアップ、「大雪が降っているのはどこ?」、「孤立しているのは?」、「京都で交通事故が発生している現場はどこ?」といった具体的な質問に対する回答の候補を示し、今起きている災害情報を、だれでも簡単に入手できるようにしたシステム。
東日本大震災発生時において、TwitterなどのSNS上に貴重な情報が寄せられる一方で、それらの情報を十分に利活用できるだけの分析・検索手段が整っていなかったことから、必要な情報を得にくい状態があったことを教訓に、研究開発が進められてきた。
PCからの利用はもちろん、スマートフォンにも対応!
「DISAANA」では、Twitter上に流れている膨大なツイートをリアルタイムに分析し、有用な災害関連情報の投稿を抽出して、入力された平易な質問に対する回答候補を検索、利用者に情報として示す。流れるツイートをリアルタイムで取得するほか、その分析結果を最長4日間保持することもできる。
試験公開した「DISAANA」リアルタイム版は、PCのWebブラウザからの使用に加え、スマートフォンでの利用にも対応しており、特別な操作などは一切不要で、スマートフォンブラウザからアクセスすれば、端末に最適化されたページで表示される仕組みとなっている。タブレットからも同様に利用可能だ。
スマートフォンおよびタブレットから利用できる「DISAANA mobile」では、PC版と同様の機能を備えるほか、GPS情報が利用可能な場合には、現在地周辺の災害関連情報をボタン1つで自動抽出し、表示する機能も搭載されている。
なお回答候補表示では、デマ情報に対処するため、デマと指摘があるものや、矛盾する情報があるものには、特別にマークを付して示すものとなっている。
NICTでは今後、自治体などと協力し、「DISAANA」について災害時を想定した実証実験を行って、運用上の問題や必要な機能の追加、使い勝手の向上など改善ポイントを見出していきたいとしており、さらなるシステムの充実も期待される。
(画像はプレスリリースより)

国立研究開発法人 情報通信研究機構 プレスリリース
http://www.nict.go.jp/press/2015/04/08-1.htmlDISAANA リアルタイム版 公開サイト
http://disaana.jp/rtime/search4pc.jsp