ツルツル、ザラザラ……フラットな画面から伝わる新たなリアリティ
富士通株式会社と株式会社富士通研究所は24日、富士通研究所が新たに開発した触覚技術を活かし、フラットな画面にタッチすると、ツルツル感やザラザラ感といったリアリティのある触感まで得ることができるタッチパネルを搭載したタブレット端末を試作したと発表した。この試作機は、2月24日~27日の期間中、スペイン・バルセロナで開催の「Mobile World Congress 2014」における同社ブース(Hall 5)に出展されているそうだ。
富士通グループでは、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスに「ヒューマンセントリックエンジン」を搭載するなど、視覚・聴覚への対応技術を中心に、従来のスペックや機能にとどまらず、心地よさ、楽しさといった感性的価値を高める取り組みを進めてきた。今回さらに触覚を加えたことで、新しい操作性や表現力を可能にし、新たなユーザー体験を実現したとしている。
(画像はいずれもプレスリリースより)
超音波振動で摩擦力を変化、触感を提示
富士通の発表によると、以前からタッチパネル自体の振動や静電気の発生により、凹凸感などの感触を伝える技術はあったものの、今回富士通研究所が開発した技術はこれらとは異なる業界初のもので、超音波振動によりタッチパネルと指との摩擦力を変化させ、触感を提示する仕組みになっているという。
ツルツル感は、タッチパネル表面と指とのあいだに高圧の空気膜を発生させ、その浮揚作用を活かして提示している。一方、凹凸感やザラザラ感は、指のタッチ情報、画面の表示情報と低摩擦領域・高摩擦領域の発生を瞬時に変化させることで、触感の錯覚を誘発し、その体感を実現させているそうだ。この触感に視覚情報や音響情報が効果的に加わることで、ユーザー体験はさらにリアルなものとなる。
この新技術を搭載することで、タッチパネル上にこれまで表現することが難しかったツルツル感やザラザラ感を出すことが可能となり、その触感を画面に表示されるものへ適用することで、実際に触れているような多様な感覚を体験することができるようになった。
富士通はこの技術について、電子カタログなどへの応用が考えられるとし、タブレット端末などのデバイスはもちろん、さまざまなサービスへの適用を視野に入れた幅広い可能性をもつものとしている。富士通と富士通研究所では、さらに研究開発を進め、2015年度中の製品化を目指していくそうだ。

富士通株式会社/株式会社富士通研究所 プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/02/24.htmlMobile World Congress 2014 公式サイト
http://www.mobileworldcongress.com/