スマートリモコンのNature、大型資金調達でエネルギー事業へ本格参入も

スマートリモコン「Nature Remo」の開発などを行うNatureは8月1日、株式会社ディー・エヌ・エー（DeNA）および株式会社環境エネルギー投資を引受先とする第三者割当増資で5億円の資金調達を7月31日までに完了したと発表した。なおDeNAからの出資については、同社が出資母体を新規組成するデライト・ベンチャーズ（Delight Ventures）に移管される予定となっている。

Natureは、2015年にハーバード大学発のベンチャーとして設立された団体。2017年10月にスマートリモコンの「Nature Remo」を発売した。今回の資金調達により、チームを倍のサイズに拡大させ、開発・販売・サポート体制の強化を進める。また、この機会に合わせて本社機能をすべて日本に移管し、日本から海外市場進出を目指すスタートアップ企業、Nature株式会社として再出発する。

Natureの「Nature Remo」は、TVやエアコン、照明などの家電製品群とは赤外線通信で、スマートフォンやタブレット端末とはWi-Fi経由でつながり、スマートリモコンハブとして機能、スマートフォンなどからの操作で、外出先からでも家電を遠隔操作するといったことができる。家電との連携が簡単かつ幅広く可能で、メーカーや型番・年式を問わず、旧式の家電でも操作できる点に大きなメリットと特徴がある。

各種スマートスピーカーと組み合わせて使えば、自然発話の音声指示で家電を操作することも可能だ。すでにビックカメラやヨドバシカメラ、ヤマダ電機など全国家電量販店での店頭販売が開始されており、手軽なスマートホームスターターキットとして「Google Home mini」と「Nature Remo mini」をセットにしたバンドル商品も発売されている。

「Nature Remo」シリーズの販売は好調に進んでおり、Natureによると発売から2年弱が経過した時点で、累積販売台数10万台を突破しているという。

Natureでは、今回調達された資金をもとに、既存の「Nature Remo」シリーズサービス事業を強化するほか、さらに年内に販売開始を予定している「Nature Remo E」で、エネルギー事業へも本格参入する。

「Nature Remo E」は、太陽光発電システムや蓄電システム、スマートメーターなどのECHONET Lite対応機器をインターネットに接続し、各種情報を集約・管理活用をサポートするスマートエネルギーハブのデバイス。専用アプリで買電・売電など電力状況を確認したり、過去の消費電力量をチェックしたりすることができるほか、接続機器の制御も簡単に行えるようになる。

これにより、家庭でのエネルギーマネジメントが手軽に、最適なかたちで実現可能となり、Natureが目指す“インターネットとセンサー技術の活用による未来のエネルギー自給自足”に向け、大きな一歩を踏み出せるとしている。

またNatureは、iOS向けの「Nature Remo」アプリをアップデートし、Siriショートカット対応としたことも発表した。iPhoneからカスタマイズしたショートカットで、他の機能と組み合わせた家電制御を行ったり、Appleの「Home Pod」を通じた音声操作を実行したり、「Nature Remo」のシーン機能による家電の一括制御といったことができるようになっている。

（画像はプレスリリースより）




Nature株式会社　プレスリリース
https://nature.global/jp/news/2019/8/1/dena5

「Nature Remo」　公式Twitter
https://twitter.com/natureremo

「Nature Remo E」
https://nature.global/jp/nature-remo-e