放射線がん治療装置『SiC-BNCT』を開発
福島SiC応用技研株式会社は、2020年9月4日、シリーズCラウンドの第三者割当増資により31億円の資金調達を完了したと発表した。
同社は、多門照射式放射線がん治療装置『SiC-BNCT』の開発を手がける企業。今回の資金調達は、SMBCベンチャーキャピタルやシーズインベストメントLLPなどを引受先として実施されている。
臨床試験機の開発・製作を完了、治験開始を計画
福島SiC応用技研株式会社が開発する『SiC-BNCT』は、SiC半導体による超小型中性子発生源を用いた、世界初のがん治療装置。中性子と反応しやすいホウ素薬剤を腫瘍細胞に取り込ませた上で、中性子とホウ素との反応を利用する形で、腫瘍細胞のみを選択的に破壊する治療法を実現している。
同社はこの『SiC-BNCT』を、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金制度などを活用する形で開発。体深部のがん治療や、広範囲に広がる微小浸潤がん治療の実現を目指している。現在は、臨床試験機の開発・製作を完了し、2021年後半に治験開始を計画しているという。
海外での認証取得活動も推進
今回同社が実施した資金調達では、SMBCベンチャーキャピタルとシーズインベストメントLLP、JPインベストメント株式会社とAstellas Venture Management LLC、Fiducia株式会社らが引受先として名を連ねている。
この増資により福島SiC応用技研株式会社は、国内での治験を進めるとともに、海外における認証取得のための活動も推進するとしている。
(画像はプレスリリースより)

シリーズCラウンドの第三者割当増資により31億円の資金調達を実施 - 福島SiC応用技研株式会社
http://www.fukushima-sic.co.jp/20_0807_puresuririsuanver8