地震の観測データはノイズが多い
2020年9月23日、大成建設株式会社は、地震計の観測データに含まれるノイズを除去する新しい技術の開発に成功したと発表した。
現在、全国各地に設置されている地震計で測定されるデータには、多くのノイズが混じっている。
今回、このノイズを除去する技術に、AIのアルゴリズムが使われることとなり、地震波の大きさと周波数特性を示した図と比較し、P波やS波など地震波として有効なデータの抽出が自動で効率的に行われることとなった。
発電所の耐震性能分析には必要不可欠
地震は日本において頻繁に起こるものであるが、発電所近くで起こった場合、建屋や設備の損壊による機能停止や周辺への影響が出る場合がある。
地震に対しての耐性指針である耐震性能が、基準をクリアできるものなのか、また、想定される地震に耐えうるものなのか耐震性能分析が必要不可欠である。
このため地震の波形データの分析が必要であるが、地震計は周辺の交通による揺れ、道路や建設工事の振動などのノイズを拾ってしまい、耐震性能評価の邪魔となっていた。
今回は、今まで目視で行われていたノイズ除去作業をAIで行うことにより、従来比で約半分程度の分析期間とコストの削減が見込める。
(画像はプレスリリースより)

大成建設
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2020/200914_4986.html