暗号化通信を1対1のトーク、通話、グループトークへも適用
LINE株式会社は、同社の提供するコミュニケーションアプリ「LINE」において、より安全なユーザー同士のやりとりを実現すべく、暗号化通信方式「Letter Sealing」の対応を拡大、8月31日からグループトークや複数人トークへも順次適用すると発表した。
LINEでは、通信内容の保護を重視し、安全性を保証するための暗号化技術に関しては、通信の秘密を守るためにも最先端の技術を導入するよう努めてきた。これまでも、トーク内容はユーザーの端末とサーバー間で暗号化されて扱われるものとなっている。さらに昨年11月8日からは、「LINE」トーク機能の1対1で交わすメッセージを対象に、「Letter Sealing」の一時適用を開始し、安全性を高めた。
「Letter Sealing」は、発信者の端末からLINEのサーバーを経由した受信者の端末まで、ユーザー間の通信内容を暗号化し、送信者と受信者以外にはその内容を復号・解読できないようにするエンドツーエンドの暗号化通信方式。
LINEは、この暗号化通信方式による保護適用拡大を進めており、Androidでは今年7月26日、iOSでは7月28日に1対1の無料通話機能にも適用させた。今回はこれをさらに拡大して、複数人でのグループトークおよび複数人トークへも適用を開始させる。
鍵マーク表示のIndicator機能も追加
現時点で、対象となるグループトーク、複数人トークは、参加人数が50人以下のもので、該当トークに参加しているユーザーが全員「Letter Sealing」機能を用いている場合に適用される。
「Letter Sealing」による暗号化機能の利用設定は、「LINE」アプリの設定画面、「トーク・電話」のなかに項目として設けられており、デフォルトで有効となっている。なお、この「Letter Sealing」機能による保護対象情報は、1対1のトークでも、グループトーク、複数人トークでも、現在トーク内のテキストと位置情報のみになっている。
対応拡大とあわせ、この「Letter Sealing」によって保護されたトークルームであるかどうかを、ユーザーがひと目で判別できるIndicator機能もリリースした。このIndicator機能により、保護されているトークルーム名には鍵アイコンのマークが表示されるようになった。
ちなみに発表によると、「Letter Sealing」に関する注意点として、適用トーク内容は、未読状態のまま機種変更を行ったり、既読状態でもPCなどのサブデバイスからのみ閲覧していたりした場合には、暗号鍵が変更され、機種変更後のアプリを引き継いだ新端末で、内容を閲覧できなくなる場合があるという。
対策として、未読メッセージをあらかじめ機種変更前の端末で閲覧しておくこと、また機種変更などでLINEを長時間利用できなくなる場合には、その間に送信されたメッセージが閲覧できないものとならないよう、一時的に「Letter Sealing」を無効化しておくことが提案されている。
(画像はプレスリリースより)

LINE株式会社 プレスリリース
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1487