40種類以上のWebサービスやIoT製品と簡単に連携できる!PFを無償提供
ヤフー株式会社は9月2日9時より、40種類以上のWebサービスやIoT製品と簡単に連携することができる、国内初の事業者向けIoTプラットフォーム「myThings Developers ベータ版」の提供を開始した。幅広い事業者が参画できるよう、このベータ版は無償で提供されている。
「myThings Developers ベータ版」では、「Yahoo!天気」や「Yahoo!防災情報」、日用品ショッピングサイトの「LOHACO」、ユカイ工学株式会社による見守りロボット「BOCCO」、株式会社グラモのリモコン端末「iRemocon」など、40種類以上のメジャーなWebサービスやIoT製品との連携を可能にするAPIを公開。
開発を行う事業者はこのプラットフォームを利用することで、自社製品・サービスとこれらWebサービスおよび他社IoT製品とを簡単に連携し、新たなサービスを創出したり、機能を拡張することで価値向上を実現したりすることが可能になるほか、開発工数を削減し、スピーディにアイデアをかたちにできるようになる。
自社サービスのAPI公開も可能、正式版は来春に
「myThings Developers ベータ版」では、公開されているAPIを使用するだけでなく、自社のWebサービスやIoT製品のAPIを公開し、他の事業者に利用を促すこともできる。「LOHACO」では、このプラットフォームを用いたさまざまなIoT製品から「LOHACO」でのショッピングを可能にするAPIを公開することで、より幅広い生活のシーンにサービスの利用機会を浸透させていくことを検討しているそうだ。
ベータ版では個別契約は必要なく、無料で誰もが自由に使えるが、商用利用はできない。作成できるサービス数は3つまでで、サービスごとの最大ユーザー数は100人まで。利用登録の際には、Yahoo!JAPAN IDを用いるため、保有していない場合は登録・作成する必要がある。
ヤフーによって紹介された利用例によると、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社が、現在開発中の「Xperia Projector」で提供するサービスのひとつとして、このプラットフォームと連携したサービス開発を検討することでYahoo!JAPANと基本合意しており、取り組みを開始しているという。具体的には、Eコマースサービスで連携することで、ユーザー体験を向上させることなどが検討されているそうだ。
また、オムロン株式会社とも、見守りネットワークカメラセンサーの「ヒューマンビジョンコンポ 家族目線」に関し、このプラットフォームと連携したサービス開発で基本合意。「Yahoo!防災情報」のAPIを用い、防災情報が通知されると端末が音声発話してその旨を知らせたり、写真を撮影して自宅にいる家族がどのような状況にあるかを、遠隔からでも画像確認できるようにしたりする機能が考えられている。
IoT時代の本格的な到来が感じられるようになった今日、これからは家電製品をはじめとした身の回りのさまざまなモノがインターネットにつながり、PCやスマートフォン以外の製品・端末からも、必要な情報を受け取ったり、Eコマースを利用したりできるようになっていくと見込まれる。ヤフーによると、2020年には、国内のIoT製品普及台数は300億台に達するともいわれているそうだ。
一方で、IoT製品の開発・製造には、Webサービスやアプリの開発、サーバーやネットワーク環境の構築など、ハードウェアの製造以外にさまざまな技術や開発工程が必要となるため、ノウハウを持たない異業種既存メーカー、新規事業者が参入するには、依然高いハードルも存在する。
ヤフーでは、「myThings Developers」のプラットフォーム提供を通じ、こうした課題を解消し、IoT領域の発展に貢献していきたいとしている。今後はAPIの機能や数を増やし、来春にも正式版をリリースする予定で、より充実したプラットフォームへと成長させていくとした。
(画像はプレスリリースより)

ヤフー株式会社 プレスリリース
http://pr.yahoo.co.jp/release/2016/09/01d/「myThings Developers ベータ版」 公式サイト
https://mythings-developers.yahoo.co.jp/