「デジタルインク」で「感情を伝える手紙」を実現
株式会社ワコムと株式会社ワン・トゥー・テン・ドライブは10月27日、タブレット端末やPCなどの画面に手書き入力して文章で、筆者の感情データを埋め込み記録、文章を再生する際にそれを同時表示できるものとする「感情を伝える手紙」のプロトタイプを開発したと発表した。筆致などから分かる感情を可視化して伝える。
今回開発されたプロトタイプでは、手書きされたテキストの筆致ごとに、それを書いた時の筆者における集中やリラックス、負荷度、理解・習熟度、興味関心など意識・感情のデータを取得し、デジタルペンから読み取れるデータと合わせて可視化表示することが可能だ。テキストの意味や文字の形からは読み取れない、その裏にある筆者の心の状態を映し出すことができるとしている。
さまざまなデータを埋め込める「デジタルインク」で広がる世界!
ここでいう「デジタルインク」とは、スマートフォンやタブレット端末、PCなどに手書き入力された文字、線、絵などにおける「デジタルの手書き(手描き)データ」の総称。このプロトタイプでは、そのうち筆者の文字を利用した手書きメッセージに焦点を当てて、ニューロスカイ社の技術を用い、脳波データを収集、これらデータを合わせて記録する仕組みを実現させた。
メッセージを受け取った側がそれを再生する際には、なめらかに違和感なく両データを表示することができるため、より感情をリアルに伝えられ、臨場感のある新しいコミュニケーションスタイルが実現される。
なお、このなめらかな再生表示を可能とするため、ワン・トゥー・テン・ドライブがソフトウェア全体のテクニカルプロデュースと脳波解析データの可視化を実行するビジュアルアプリ、データ連結アプリの開発を行ったそうだ。
ワコムによると、「デジタルインク」には、こうした感情データのほかにもさまざまなデータを埋め込むことが可能で、紙媒体にペンで書き込む通常の“アナログインク”とは全く異なる可能性が秘められているという。同社らは今後もその利活用法について、協力して開拓していくとしており、この動向も注視される。
(画像はプレスリリースより)

株式会社ワコム プレスリリース
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