大学図書館検索「CiNii Boolks」、国立国会図書館デジタルコレクションと連携

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所（NII）が11月30日より、大学図書館の蔵書検索サービス「CiNii Books」へ、「国立国会図書館デジタルコレクション」との連携機能を追加搭載、利用可能にしたことを発表した。ユーザーは「CiNii Books」に情報が収録されている図書・雑誌について、検索結果の画面から、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている電子版の本文データに直接アクセスし、閲覧することができる。

「CiNii Books」は、日本国内にある大学図書館などが所蔵する本の総合情報検索サービス。NIIが運用する学術文献の総合目録データベースである「NACSIS-CAT」に蓄積された約1,200館の図書館が所蔵する1,000万件超（のべ1億冊以上）の書籍情報や、約150万件の著者情報を検索することができるもの。内容検索にも対応し、探したい情報の資料がどこに所蔵されているか、書誌詳細情報とともにすぐ確認することができる。

一方「国立国会図書館デジタルコレクション」は、国立国会図書館で収集・保存している電子化された資料を検索・閲覧できるサービス。同館が過去に提供していた「貴重書画像データベース」、「近代デジタルライブラリー」、「児童書ライブラリー」などのサービスも統合され、約96万点の図書資料、約126万点の雑誌資料ほか、電子書籍および電子雑誌が約40万点、古典籍資料が約9万点、歴史的音源が約5万点など、さまざまな資料の計約300万点に及ぶデータが登録されている。

これら登録資料のうち、約82万点についてはインターネット上で公開されており、絶版などで入手困難となっている資料約142万点も全国の図書館などの施設、約750カ所で閲覧することができる。

今回、「CiNii Books」との連携が実現したことで、「国立国会図書館デジタルコレクション」の約76万件に及ぶ紐づけデータリンクが、「CiNii Books」の検索結果画面に表示されるようになった。

「電子リソースにアクセスする」の項目欄で示され、リンクをクリックすると、その書籍資料が「国立国会図書館デジタルコレクション」でオンライン公開されている場合、ダイレクトに該当ページへ遷移、あらためて検索したり、図書館に足を運んだりする必要なく、そのまま資料の本文データを閲覧することができる。

なお、こうした電子版資料本文へのリンクを検索結果に表示させる連携は、独立行政法人 国立文化財機構 奈良文化財研究所の「全国遺跡報告総覧」や、米国の大学図書館を中心とした全学問分野にわたる電子化プロジェクト「HathiTrust Digital Library」との間でも行われている。

NIIでは今後も、日本の学術コミュニティの発展に不可欠なインフラとなる、オープンな次世代学術コンテンツ基盤や情報ネットワークの構築を進め、高品質で利便性の高いサービスへと成長させていきたいとした。

（画像はプレスリリースより）




大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所　ニュースリリース
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20161130.pdf

「CiNii Books」
http://ci.nii.ac.jp/books/

「国立国会図書館デジタルコレクション」
http://dl.ndl.go.jp/