マルチデバイス対応、公演映像と音源を無料配信!
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)と公益財団法人NHK交響楽団(N響)は4月28日、2017年4月~6月に開かれる「明電舎創業120周年記念/N響 午後のクラシック」の公演のもようをハイレゾ音源で収録し、5月19日よりオンデマンド配信を行うと発表した。N響の演奏会がハイレゾストリーミング配信されるのは、これが初のことになる。
「明電舎創業120周年記念/N響 午後のクラシック」は、社会インフラを支える重電機器や水処理システム、産業システム機器などの提供とメンテナンスサービスを手がける、株式会社明電舎が特別協賛するコンサート。4月27日、5月25日、6月15日の全3回シリーズとして、ミューザ川崎シンフォニーホールで開かれるものとなっている。
今回は、このシリーズコンサートの昼公演について、DSD5.6MHzおよびPCM96kHz/24bitフォーマットのハイレゾ音源で収録を行い、IIJの国内初・ハイレゾストリーミングサービスである「PrimeSeat」の番組コンテンツとして、オンデマンド配信する。
あわせてコンサート映像を撮影し、PC、スマートフォンなどマルチデバイスで視聴できるものとした映像のストリーミング配信もN響の特設ページにて実施する予定で、会場に足を運べない人でも、気軽に本格的な演奏会を体感することができる。今回のものは音源配信・映像配信とも、無料で楽しめる点もうれしい。
定常配信に向け検討を開始、より多くのコンサートを幅広い人々に
「PrimeSeat」は、IIJによるハイレゾ音源のストリーミングサービス。利用にはPC向けの無料ソフトウェア「PrimeSeat」をダウンロードする必要があり、これを用いることで臨場感あふれる音楽や音声を、高品質な音で楽しめるようになる。なおこのサービスはスマートフォンをサポートしていないため、今回のハイレゾ音源配信はPCに限られることとなる。
音源フォーマットとして用いられるDSDおよびPCMは、いずれもアナログ音源をデジタルに変換する際の方式のひとつで、音声を圧縮することなく忠実に再現することから、より高音質での配信が実現できる。DSD5.6MHzのサンプリング周波数は、音楽CDの128倍にも及ぶという。
PCMの場合は、一定時間ごとに信号を標本化し、定められたビット数に量子化、1組のパルス列として出力する仕組みで、サンプリング周波数が高く量子化ビット数が多いほど、オリジナルに近い高音質となる。
第1回の4月27日収録分は、5月19日~6月30日に配信、第2回5月25日収録分は、6月13日~7月31日に、第3回6月15日収録分は、7月4日~8月31日に配信する。予定では、第1回はブルッフの「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26」とベートーヴェンの「交響曲第7番イ長調作品92」を、第2回はチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23」、リムスキー・コルサコフ作曲「スペイン奇想曲作品34」、チャイコフスキー作曲「幻想曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』作品32」を、第3回にはモーツァルトの「歌劇『魔笛』序曲」、「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299」、「交響曲第41番は長調K.551『ジュピター』」を届けるとされている。
IIJとN響では、今回の取り組みを通じ、ハイレゾ音源によるストリーミング配信の技術協力と評価検証を実施し、定常配信の実用化検討を開始、コンサート会場に足を運べない人々にも、N響の演奏を高音質で届けられるよう検討していくとし、今後より多くのコンサートを配信対象としていく可能性を示した。
(画像はNHK交響楽団ホームページより)

株式会社インターネットイニシアティブ/公益財団法人NHK交響楽団 プレスリリース
http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2017/0428.html公益財団法人NHK交響楽団 ホームページ
http://www.nhkso.or.jp/index.php