サーバー横断検索と連携、技術伝承を促進
富士ゼロックス株式会社は10日、企業内のベテラン技術者が経験を重ねることにより蓄積してきた知見やノウハウを、次代へと有効に伝承することを支援する「技術伝承ソリューション」と、さまざまな部門のサーバーに分散して管理されている技術情報を横断的に検索できるプロダクツを組み合わせた新業務ソリューション「技術伝承ソリューション エンタープライズサーチ連携」をリリースした。
日本の製造業は高い技術力によって支えられているが、近年の現場ではベテラン技術者が定年退職を迎える局面にいたっており、彼らが培ってきた知見・ノウハウが伝承されず、失われてしまう危機にさらされている。
こうした高度な技術・知見は、言語化されることなく、現場技術者の身体にしみついた暗黙知としてのみ蓄積されているケースがほとんどで、技術文書などに記されていても、体系的に管理されておらず、探し出しにくい、次の世代に伝達されにくいといった状態がある。
また、設計などの上流工程でも、図面、技術文書、不具合情報などの技術情報がさまざまなかたちでそれぞれの部門のサーバーに分散管理され、必要な情報へ効率的にリーチできず、手戻りや類似トラブルの頻発、重複作業の増加といった問題が生じているケースも少なくないという。
今回リリースされたソリューションは、そうした問題を解消するためのものだ。
日本のものづくりを支える技術を守る!必要な情報を必要なときに
「技術伝承ソリューション」は、企業内の技術情報・ノウハウをナレッジとして蓄積し、次代への技術伝承へとつながるよう支援するもの。文書管理の中核を担う「ArcSuite Engineering」で、さまざまな形式の技術文書をワンストップで管理、共有と活用を促進させる。アクセス権限の制御機能などもあり、情報を適切に保護しながら、体系的に管理できる。
今回連携が図られた、技術情報の横断検索が可能な「QuickSolution」は、住友電工情報システム株式会社のエンタープライズサーチ製品で、「ArcSuite」から他システムの横断検索が可能、自然文検索やシソーラス連携、Know-Who検索など多様な検索方法でのピンポイント検索にも対応し、複数サーバーにおける効率の良い情報引き出しを実現させる。
同製品は、数十TBの社内情報を、アクセス権限を考慮しながら高速検索できるといい、分散している多様な情報も、必要なときに必要なかたちで素早く見つけ出し、有効に活用できるようになるとされる。
富士ゼロックスでは、この2つが組み合わさったシステムソリューションにより、さまざまな業種・業務における現場で、技術者の思考を妨げることなく、あらゆる知見・ノウハウ・情報の活用を促進できるとし、それぞれのジャンル特性を考慮した提供を通じて、企業競争力の強化を支援していくとしている。
提供価格は、「ArcSuite Engineering 3.0B Standard」が300万円から、「QuickSolution スタンダード」が250万円からで、設計・構築支援サービスなどは個別見積もりになる。
(画像はプレスリリースより)

富士ゼロックス株式会社 プレスリリース
http://news.fujixerox.co.jp/news/2017/001360/「技術伝承ソリューション」
http://www.fujixerox.co.jp/solution/menu/sol033/