超高速のデータ検索や更新を実現!IoT管理をサポート
株式会社日立ソリューションズは8月31日、IoT化の進む制御システム向けとして、超高速組み込みデータベース管理システムの「Entier インメモリデータベース管理システム」を9月1日より提供すると発表した。従来比約1,000分の1の数十マイクロ秒でデータ検索や更新処理を実行できるとしている。
近年、自動運転システムやロボットなど、技術が高度化し、制御ユニット上のアプリケーションでは、限られたリソース内で1ミリ秒以下といった超高速での処理能力が求められるようになっている。
また、制御ユニット上のアプリケーションでは、各種センサーなど複数のIoTデバイスとの間におけるデータのやりとりも必要となり、データの多様化・大規模化にも対応できる高水準のデータ整合性確保や、他のアプリケーションとの間の干渉回避といった、安定的な運用を保証する仕組みが早急に必要とされるようになった。
こうした中、日立ソリューションズでは、組み込み向けデータベースの「Entier」を開発、そのノウハウを活かして昨年10月、日立オートモティブシステムズ株式会社と共同で、自動運転車向けのアプリケーション開発効率化に寄与する「自動運転ECU(Electronic Control Unit)プラットフォーム」を生み出している。
今回、より幅広い領域における上記のような課題の解決を目的として、この「自動運転ECUプラットフォーム」で採用した組み込みデータベースを汎用化、企業などに販売することとした。
マルチスレッド対応!開発効率大幅アップ
「Entier インメモリデータベース管理システム」は、キーとデータを組み合わせたシンプルなデータベース方式である「Key-Value Store」や、データの一時保管領域両端を論理的につなげ、置き換えを不要とするリングバッファを採用することにより処理能力を改善、数十マイクロ秒といった超高速のデータ検索および更新処理を実現可能としている。
また、IoTデバイスから出力されるさまざまなデータを複数同時に処理し、一元管理できるマルチスレッド対応とすることで、高度なロボットなどの制御アプリケーションにおける開発効率向上を強力にバックアップする。
全体は100KB程度とごく軽量なプログラムサイズであるため、リソースが制限されたエッジデバイスなどに適用可能だ。また、自動車の機能安全規格ISO26262の設計プロセスに準拠したエビデンスを提供することで、車載システムにおける規格の認証取得も支援する仕様となっている。
開発環境はWindows(x86)、Linux(x86)、ターゲットシステムはLinux(ARM)で、価格は個別見積もり。システムの体験版をダウンロードできる専用ページが公開されているので、まずはそちらをチェックするとよい。
(画像は製品詳細案内・体験版提供ページより)

株式会社日立ソリューションズ ニュースリリース(プレスリリース)
http://www.hitachi-solutions.co.jp/製品詳細案内・体験版提供ページ
http://www.hitachi-solutions.co.jp/entier-cache/