KDDI、IoT向け通信サービスを月額40円から提供へ

KDDI株式会社は16日、法人向けのIoT通信サービスとなる「KDDI IoT コネクト LPWA（LTE-M）」と、デバイス管理サービスの「KDDI IoT コネクト デバイス管理（LTE-M）」を2018年1月より提供すると発表した。IoT向け通信ネットワークとして注目される、低消費電力・広域カバーのLPWAを活用している。

LPWAは、Low Power Wide Areaの省略で、携帯電話網を活用するIoT向けの新たな通信技術。今回のサービスで用いられるLTE-M（Cat.M1）は、既存の4G LTEネットワークエリアで展開されている、省電力で広域なエリアカバレッジを特長とした3GPPリリース13をベースにしたLTE標準規格で、ここに低消費電力技術のeDRX（extended Discontinuous Reception）とPSM（Power Saving Mode）を導入、広域カバー性を確保するカバレッジ拡張技術のCoverage Enhancementも追加することで、リーズナブルで利便性の高い、IoT利用に最適なサービスを設計したとしている。

eDRXは、IoTデバイス待受時の電波サーチ頻度を下げることで消費電力を低減、PSMは、指定期間の電波サーチを止めることで無駄をなくし、低消費電力化に寄与する。カバレッジ拡張技術は、データを複数回再送することにより、デバイスと基地局間とのデータ送受信成功率を向上させるもので、これまでのLTEに比べ、伝送距離を確実に伸ばすことができる。より遠く、より建物などの奥深くまで届く通信環境が実現される見込みだ。

ユーザーはPCなどからWeb上のサービスポータルにアクセスすることで、豊富な回線管理機能も利用できる。通信回線の一時停止や再開、利用終了など各種制御を遠隔管理したり、トラフィックレポートや課金ログ、回線状態などの一覧各種レポートを任意のタイミングでダウンロード・閲覧したりすることが可能だ。SIMカードのオンライン発注にも対応する。

オプションで、回線管理プラットフォームとサーバーをインターネットVPNで接続し、よりセキュアな通信環境を確保する仕組みや、堅牢性の高いSIMカード内に格納した認証用鍵とアプリで叶えるデバイス認証の付加機能「SIMセキュリティ」といったサービスも提供するという。

料金プランは、月間のデータ通信量によって「LPWA10」、「LPWA100」、「LPWA500」の3種類から選択可能。それぞれ月間10KBまで、月間100KBまで、月間500KBまでで、契約回線数によって料金が決まる。最も安い「LPWA10」の500万1回線以上のプランでは、月額40円になる。

月単位での適用で日割りにはならないが、運用状況に応じて、サービスポータルからプラン変更を柔軟に行えるため、無駄なく利用できる。なお別途契約事務手数料やプラットフォーム設定料などが必要になる。

「KDDI IoT コネクト LPWA（LTE-M）」の提供開始にあわせ、IoTデバイスと通信モジュールを遠隔で管理できる「KDDI IoTコネクト デバイス管理（LTE-M）」もリリースされる。このサービスをセットで利用すると、スマートメーターや現場監視装置など、遠方に点在するデバイスや通信モジュールの管理がワンストップで便利に実行できるようになる。

設置場所など現場にスタッフを派遣することなく、ファームウェアの更新を行ったり、デバイス状態を確認、監視を行ったり、省電力機能の設定管理を行うといったことが、Web上の専用サービスポータルからいつでも可能となり、安全で安定的な運用が手間なく展開できると見込まれている。

とくにIoTデバイスでは、セキュリティ上重要なアップデートを適切に行い、安全・安心な利用環境を維持していくことが重要で、ファームウェア更新をいかに容易かつ確実に実行可能とするかがポイントとなっているが、「KDDI IoTコネクト デバイス管理（LTE-M）」では、万一ファームウェアに不具合が発生した場合でも、自動的にネットワークの混雑を避けた時間帯に配信を行い、スムーズで確実な更新完了を実現できるという。

KDDIでは、ガススマートメーターへの活用や、荷物追跡サービスへの活用などを代表的なユースケースとして想定、さまざまな分野で応用できる、IoT向けのトータルソリューションを提供していくとした。

（画像はプレスリリースより）




KDDI株式会社　プレスリリース（「KDDI IoT コネクト LPWA」について）
http://news.kddi.com/

KDDI株式会社　プレスリリース（「KDDI IoTコネクト デバイス管理」について）
http://news.kddi.com/