電動エアモビリティの国内運航を検討へ
ANAホールディングス株式会社(以下、ANAHD)は15日、米国のベンチャー支援航空宇宙会社であるJoby Aviation Inc(以下、Joby)と電動エアモビリティ「eVTOL」による日本国内での運航事業共同検討にかかる覚書を締結したと発表した。地上交通における連携などを含めて想定していることから、トヨタ自動車もこれに参加している。
「eVTOL」は電動モーターで複数の回転翼を回し、垂直離着陸できるようにした小型航空機。“空飛ぶクルマ”として知られ、渋滞の緩和や地球温暖化への対策など、豊かさと環境への配慮を両立、持続可能な社会の実現に貢献する新しいモビリティとして世界各国で開発が進められている。
Jobyの「eVTOL」は、電動で低騒音かつ排気ガスゼロを実現しながら、最大航行距離約150マイル(270キロ)超、最高速度200mph(約時速320キロ)で航行できるというもの。5人乗り仕様で、都市圏における便利で快適な新しい移動体験の創出を目指して設計・開発されている。
ANAHDでは、“空飛ぶクルマ”を用いたゼロ・エミッションな都市型航空交通の実現を目指し、これまでに航空会社として培ってきた安全安心の運航にかかる知見を活かした取り組みを進めてきた。
実用化第一歩としては、2025年の大阪・関西万博を起点とした関西圏での運航実現を見据えており、将来的には都市内ポートや空港ポートをつないだ、地上交通よりも快適で大幅な移動時間の短縮を実現できる時間価値提供を魅力とする新しい空の移動サービスを展開していく方針だ。
“空の移動革命”実現へ
今回のパートナーシップでは、ANAHDとJobyの2社で、国内大都市圏を中心とする電動航空機での移動サービス実現に向け、事業性の調査や旅客輸送サービス実現に向けた運航・パイロット訓練、航空交通管理、離着陸ポートなど地上インフラの整備のほか、関係各社や国・自治体と新しい制度・法規への対応を進めるなどしていくことが示されている。
共同検討における地上交通との連携で、トヨタ自動車も参画するという。
また、ANAHD、Joby、トヨタ自動車の3社は、国土交通省がエアモビリティや「eVTOL」といった“空飛ぶクルマ”の実現に向けて設立した「空の移動革命に向けた官民協議会」のメンバーともなっており、同協議会が推進するプロジェクトの議論にも共同で参加していくとした。
(画像はプレスリリースより)

ANAホールディングス株式会社/Joby Aviation Inc プレスリリース
https://www.anahd.co.jp/group/pr/pdf/20220215-2.pdf