後部座席で快適テレワーク!モバイルオフィスカー誕生
株式会社イトーキ(以下、イトーキ)と日産自動車株式会社(以下、日産)は13日、後部座席のスペースで快適なテレワークが行えるモバイルオフィスカー「MOOW(ムーウ)」を共同で開発したことを発表した。2022年度内のリリースを目指し、両社でさらに開発を進めていくといい、日産の販売会社による販売が検討されている。
新型コロナの感染拡大に伴うテレワークの急速な普及で、働き方の多様化やオフィス空間の見直しが進んでいるが、快適に働けるテレワークの専用スペースを確保しづらいケースは少なくない。
しかし、オフィスで集合する就業スタイルや、通勤ラッシュで混雑する公共交通機関での移動は避けたいというニーズは依然強くあるため、身近にプライベート空間を確保できるクルマの活用が考えられた。
だが、従来の車両では、やはり快適に働けるようなゆとりあるワークスペースを確保することは難しい。そこで新たに、車両メーカーの日産と、ワークプレイス事業として働く空間・環境・場の開発サポートを推進するイトーキが協力し、モバイルオフィスカーを開発することとした。
エンジン停止時も快適空間を維持
「MOOW」は、使い勝手の良さで支持される日産のライトバン・ミニバンシリーズ「NV200バネット」がベースとなっている。
特殊用途車両を製造する日産のノウハウと、イトーキの人間工学に関する知見、オフィス設計の経験が活かされ、オフィスカーたるユニークな車内デザインが生み出された。
車両の後部座席部分を丸ごとテレワークスペースとし、圧迫感や手狭感を抱きにくい十分な空間を確保、高性能のリチウムイオンバッテリーを搭載し、走行時の充電も可能にしたほか、エンジンを停止した状態でも、テレワークに必要な電力供給を無理なく継続できるようにしている。
快適なワークスペースに不可欠な冷暖房機器も、600W/h稼働時で5時間程度は連続稼働させられるという。
まとまった時間、座位姿勢を保っても無理がかかりにくいよう、人間工学に対応した理想の姿勢がとれる後傾姿勢で座る斜め向きのデザインに。また、車内照明はオンラインミーティングに適した環境を実現できる間接照明搭載とした。
デスクは最小限ながら、ノートパソコン使用に配慮したサイズで、着席などがしやすい可動式。スマートフォンを差し込めば、ハンズフリーでビデオ通話などが行える専用スリットも設けられている。
さらにタイヤハウスを活かしたサイドテーブルには、後傾姿勢のまま足を乗せられる格納式オットマンが収納されており、こちらを引き出してより快適に、くつろいだスタイルもとることができる。
車体色はライトグレーの特別色。主に取引先への訪問が多い営業職などの利用を想定するが、自宅とワークスペースを切り分け、プライベートな就業環境を確保したい会社員や個人事業主などにもお勧めとされる。
なお日産とイトーキでは、この開発した「MOOW」を、2022年4月26日~28日に開催される、日本初上陸のドイツ発オフィス家具メッセ「オルガテック東京2022」ワークプレイストレードショーに出展、来場者に紹介する予定としている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社イトーキ プレスリリース
https://www.itoki.jp/press/2022/2204_nissanpj.html