冷凍保存されていない状態で空中輸送される
2022年8月10日、株式会社NEXT DELIVERY(以下 NEXT DELIVERY)は、北海道上士幌町、JA上士幌町、JA全農ET研究所(以下 ET研究所)の下、世界初の試みとなる、ドローンを利用した牛の受精卵運搬実験を行い成功した。
ET研究所で採卵された冷凍されていない牛の受精卵を、上士幌町内の酪農家宅へ送り移植できるかどうかの検証を行い、移植師の手で雌牛に移植が行われた。
これにより、最適な状態での移植が可能となり、従来車で行っていた方法と比較すると、輸送コストや時間などが格段に減ることも確認されており、今後は実証回数を増やし検証目的を変えて行われる予定。
受精卵は冷凍保存しないことが理想
和牛は、乳牛のお腹に受精卵を移植されることで産まれる方法が一般的となっており、この時使用されるのが和牛で人工受精した卵であるが、冷凍保存されたものを使う。
冷凍保存の欠点として、冷凍により卵が損傷を受ける確率が高くなり、移植したとしても受胎する確率が低下する傾向にあるため、採卵した当日に採取した受精卵をその日のうちに移植することが望ましい。
確実性では冷凍保存しない方が有利であるが、逆に時間が限られるため遠距離での移植が難しく、移植師の人手不足問題があるため幅広く利用するに至らなかった。
今後は、輸送時間が短縮され遠距離での輸送も可能となるため、移植師が牧場に配置できれば効率的に作業が進むと考えられる。
(画像はプレスリリースより)

株式会社NEXT DELIVERY
https://nextdelivery.aeronext.co.jp/