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2024年03月29日(金)
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ミリ波センサー活用で高齢者の次世代見守りへ、新技術実証実験がスタート

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ミリ波センサー活用で高齢者の次世代見守りへ、新技術実証実験がスタート

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富士通と和歌山県立医科大学が共同実証実験へ
富士通株式会社(以下、富士通)と公立大学法人和歌山県立医科大学(以下、和歌山県立医科大学)は21日、カメラなどを用いることなく、ミリ波センサーを活用した見守り技術の共同実証実験を開始すると発表した。

病室などプライバシー性の高い施設でも活用可能な仕組みで、転倒などの危険な異常事態発生を早期に発見、骨折をはじめとする重症化リスクを低減させることを目指す。

公益社団法人全日本病院協会によると、国内18病院で、2021年度にも1カ月あたり290件の入院患者における転倒事例があり、対応が急務になっているという。

高齢者の転倒は重大な障がいや、完全な寝たきりにつながるリスクが非常に高く、防止への見守りが不可欠だが、人員の不足問題に加え、カメラ設置のような見守り技術の導入は患者のプライバシーを損なうと考えられるため、難しいという問題があった。

そこで、富士通の有する、ミリ波センサーを活用して人の姿勢を推定し、その変化から行動を詳細に検知するAI技術「Actlyzer(アクトライザー)」を活用した、カメラ不要の見守りで、病院などでの高齢者の転倒といった異常発生を素早く伝達、適切な対応をとることで重症化リスクを低減させる実証実験を、和歌山県立医科大学と共同で行うことを決めた。

Actlyzer
効率良く安心・安全を!2023年度末までに実用化へ
実証実験は、2022年11月21日~2024年3月31日の期間で行われる。富士通が2022年7月に開発した、ミリ波センサーを用いて人の姿勢を推定する最新技術と、人の姿勢変化から複雑な行動を認識する同社独自の「行動分析技術 Actlyzer」を連携させ、プライバシーに配慮しつつ、転倒などの動作を検知可能にして技術検証を実施していくという。

実験では、病院などの施設において、高齢患者や要介護者に協力を募り、被験者となってもらう。室内に設置したミリ波センサーから、協力患者の姿勢を点群データとして収集、転倒や転倒につながる危険動作などを検知した結果について、ベッド周りに設置した離床センサーのログや、実証実験用に設置したカメラ映像などと比較し、適切な検知が行えているかどうか、有効性の評価と技術・運用改善を進めていく。

実証実験後は、富士通がミリ波センサーから収集した点群データをもとに、転倒や転倒につながる動作特有の身体の動きを詳細に分析する。この点群データは電波照射と対象人物からの反射で取得されたもので、カメラ映像のように個人を特定する情報を含まないため、プライバシーに配慮した見守りを叶えるものとされる。

和歌山県立医科大学では、富士通の分析結果を医療現場の知見を活かして技術的に評価、フィードバックを行い、富士通がそれをもとに見守り技術のさらなる改善を施す。

両者はこれらの取り組みにより、2023年度末までには病院などの施設向けに実際の見守り技術サービスとして提供していくことを目指したいとしている。

検知された危険行動が、医師や看護師らに即時伝達され、適切な対応が早期に図れるようになれば、より安心・安全な療養が可能になると考えられる。患者のプライバシーに配慮しながら運用できるほか、医療従事者の見守り負担も軽減され、持続可能な仕組みとして有用性が高い。

実証実験の動向と、今後のさらなる改善、サービス実用化に注目が集まる。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

富士通株式会社/公立大学法人和歌山県立医科大学 プレスリリース
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/11/21.html

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