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2024年12月08日(日)
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エアロネクスト、極寒のモンゴルでドローンによる血液輸送試験に成功

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エアロネクスト、極寒のモンゴルでドローンによる血液輸送試験に成功

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医療定期配送網構築を目指し実証実験
空を社会インフラに、ドローンでの多様な社会課題解決を目指すテクノロジーベンチャー、株式会社エアロネクスト(以下、エアロネクスト)は17日、モンゴル国ウランバートル市のNewcom Group、セイノーホールディングス株式会社(以下、セイノーHD)、KDDIスマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン)とともに、ウランバートル市で国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の間の往復約9.5kmの距離におけるドローンでの血液輸送実証実験を11月13日に行い、成功したと発表した。

エアロネクスト
ウランバートル市は標高1,300メートルという位置にあり、実験の当日も極寒の外気温マイナス15度という過酷な環境下であったといい、いわゆる「レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」に該当する第三者上空での自動航行による飛行で成功を収められたことは特筆に値するものであり、エアロネクストによると現時点で世界初の成功事例になると説明されている。

実証実験の飛行は、モンゴル国民間航空庁、ウランバートル市、土地測量地図庁、気象環境調査庁の支援及び協力のもと、詳細データを得て、日本でのドローン配送サービス実装など、各地におおける多くの実績と経験を積んだエアロネクストの運航技術チームによる細やかな実地調査、綿密な準備の上に行われたものであり、モンゴル国民間航空庁から正式な許可承認を得た、輸配送用途の飛行例としても、同国初になるという。

今年9月にウランバートル市で開催された「新スマート物流シンポジウム」において、モンゴルでのドローンを活用した配送網構築、新スマート物流「SkyHub」の社会実装の可能性を検討していくため発足を発表した「モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループ」の活動第1弾にも位置づけられるもので、今後のさらなる活動動向に注目が集まるところとなった。

エアロネクスト
過酷な環境、課題の多いモンゴル物流を支える新基盤に
モンゴルでは、全人口の半数にあたる約160万人がウランバートル市に集中し、物流・交通面では、同市の慢性的な渋滞が問題になっている。まだまだ道路インフラ整備も不充分であることから、医療や経済活動に生じている悪影響も大きいとされる。

都市中心部での局所的なガソリン車の利用集中で大気汚染も進んでいる一方、所得水準の向上やIT・通信環境の整備は急速に広がっているため、EC利用者が大幅に増加、個別配送の需要が高まっているという背景もある。

こうした現地の問題を受け、空の活用により即時性・経済性。環境面で持続可能性の高い、新たな物流インフラ構築の実現が目指されることとなり、「モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループ」の活動も展開されてきた。

まず何より命に関わる医療分野の市内物資輸送においては、モンゴル国唯一の輸血センターである国立輸血センターから、各病院間へ日々輸血用血液の車による配送がなされているが、看護師の同行が必須であるほか、慢性的な渋滞により、長時間を要する非効率かつリスクの高い状況が続いているという。

即時性、緊急性が求められる血液など医療物資に関しては、救急車を用いた輸送も行われているものの、やはり重体で正確な輸送時間を予測できないほか、所有数が限られる救急車両の本来の役目である患者搬送に支障をきたす事態も生まれているとされる。

よって輸血センターと病院間、あるいは病院間同士でのドローン定期ルート構築が実現すれば、渋滞の影響を回避した時間と品質を確保できる物資輸送が可能となり、看護師の労働環境改善、医療の質の向上と持続可能性向上も期待できると見込まれ、今回の実証実験で検証が行われることになった。

エアロネクスト
温度管理も問題なくピックアップ完了
今回のドローン配送は、ウランバートル市内の国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院間の往復約9.5kmの輸血用血液配送として実施された。

使用された機体は、エアロネクストとACSLが共同開発した、物流用途特化型の可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmのドローン「AirTruck」。通信はMobicomの4G LTE通信が用いられ、機体制御には機体の遠隔制御と自律飛行を可能とする運航管理システムが使われた。体制としては、日本からの「リモート監視」で実験が進められたという。

まず、国立輸血センターの看護師が、「AirTruck」専用の箱に血液と医療液のパックを適切な温度管理下の梱包で収納、箱をセットし、同センターの駐車場を離陸させるものとした。

エアロネクスト
そこから片道4.75kmの距離を、ドローンはあらかじめプログラムされたとおりに自動航行し、約13分後にモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院屋上に到着、着陸して箱を切り離して配送し、バッテリーを交換後、あらためて離陸した国立輸血センターの駐車場に帰還した。

配送物は血液パックと医療液2種の合計3種11パックで、セイノーHDの温度管理を伴った梱包ノウハウにより、常温と零下の2温度帯に分けた梱包で配送、検証のため温度計測も行った。

エアロネクスト
その結果、配送後の箱はモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の看護師によりピックアップされ、中身はすべて無事、温度管理も問題なく届けられていることが確認できたという。

エアロネクストほか参画した企業らは、今後もワーキンググループの活動を継続し、まずはドローンによる医療定期配送網構築を目指していく。さらに将来的には、モンゴルの社会課題や住民ニーズに沿った、新スマート物流「SkyHub」の構築でインフラ整備を推進し、多様な社会課題の解決に寄与していきたいとしている。

慢性的な渋滞や脆弱な道路インフラに悩む地域は多い。未来のインフラ構築として、空を活用した挑戦が続く。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

株式会社エアロネクスト プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000032193.html

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