社会課題に対応するバッテリースタンドへ
モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」を展開する株式会社INFORICH(以下、INFORICH)は7日、「INFORICH CONFERENCE ExSPOT2024」を開催し、今後のビジョン達成に向けた具体的事業戦略などの発表を行った。新たなモデルのバッテリースタンドも公開されている。
「ChargeSPOT」は2018年4月のリリース以来、各地の駅や空港、商業施設などに約44,000台が設置されるまでに拡大、月間利用者数は約94万人、昨今は国内のみならず海外にもサービス提供地域を広げてきた。国内では全国のバッテリースタンドを活用し、外出時の充電不足問題はもちろん、災害時の緊急電源供給を行う仕組みの構築も進めている。
モバイル全盛の現代において、外出中の充電不足は大きな課題だ。スマホや各種デジタルデバイスの電池切れは致命的で、観光や災害時にも対応する安定的電源確保の重要性は年々高まっていると言ってよい。
INFORICHでは、こうした社会情勢を加味し、「ChargeSPOT」を基盤としたソリューション提供で、日常生活に溶け込む次世代社会インフラを構築していくとする。
まず、現代の社会課題に対応した2種類の新タイプバッテリースタンドを開発、公開した。1つ目はクレジットカードでのタッチ決済モデルだ。
アプリでのQRコードスキャンが必須であった従来型とは異なり、既に充電が完全に切れ、アプリ起動が不能な状態でも利用できる。海外での実証実験を完了させており、2025年3月以降、まずはオーストラリア、ヨーロッパ地域で展開させるとした。
2つ目は再生可能エネルギーである、太陽光発電での蓄電モデルだ。従来タイプは屋外でもコンセントからの蓄電が必要だったが、この新タイプでは太陽光を得られる場所ならば、コンセントの有無に関わらず設置可能となる。
太陽光の発電で蓄えられた電力を用いるため、クリーンな運用とともに、停電時でも使えるモデルとして、災害時インフラに活かしやすく、今後の高い需要が見込めるものとなっている。
こちらの設置場所や設置開始日は未定だが、2025年を目標に調整中で、公共の公園や観光地などへの導入を想定しているという。
インバウンド対応やファンとの絆を強めるサービスも
インバウンド旅行者の増大を受け、観光インフラの不足や言語・文化の壁、サービス業における人手不足など、新たに発生している課題に対応すべく、「ChargeSPOT」にAI機能を搭載、多言語での乗換案内や店舗でのバーチャル対応などを可能とした「NaviSPOT」の提供も進める。
旅行者にやさしく、場所の価値を最大化するサービスとして、観光地や店舗での顧客体験向上に寄与することが期待されており、まずは2024年12月以降のシンガポール国内における展開を目指して協議が行われているという。
2025年以降、国内でも都市圏や観光地など人流集中エリアを中心に順次設置していく方針で、訪日客の利便性向上も見込まれる。
また「ChargeSPOT」を通じ、ファンとアーティストをつなぐ循環型プラットフォーム「CheerSPOT」の展開も推進する。個人が数百円から可能なデジタルサイネージの広告枠購入で、自身の好きなアーティストなどを「Cheer(応援)」することができる。
SNS投稿などで個人が行っていた応援メッセージ配信を、街中にある「ChargeSPOT」のデジタルサイネージ上で実施できる新たなスタイルで、個人参入が困難だった、公共スペースでの表現発信を気軽に行える仕組みともしていく。
アーティスト所属事務所などから提供される広告素材をもとに、ファンが広告出稿したい場所や日時、素材を選定、決済して出稿する。ユーザーはアプリで全プロセスを完結可能、INFORICHでは低額かつ手軽な出稿により、サイネージメディアの可能性を広げたいとした。
こちらは2024年11月中を目標に調整中で、複数社とのパートナー協議が進められている。利用料金は筐体ごとの設定になるが、1台420円(税抜)からといった設定で、ワンコインの利用を可能にするとしている。
(画像はプレスリリースより)
株式会社INFORICH プレスリリース
https://inforich.net/