旅行にはガイドブック
これまで、旅行にはガイドブックが必須だった。地球の歩き方、とかロンリープラネットなどの類が有名だ。例えばもし何も持たずにフィレンツェのサンタ・クローチェ正道に行ったとする。きっとその建物の歴史もわからず、何を見ればよいのか、どの彫刻やフレスコ画が最も美しいのかもわからないまま終わってしまったのではないだろうか。
グーグル・ゴーグルの登場
しかし、今はグーグル・ゴーグルがある。これがあれば今までに存在したどんなガイドブックよりも多くの情報を指先で操ることができる。もしかしたら、これまでに存在したすべてのガイドブックの情報を結集しても敵わないのではないかと思えるほどだ。
グーグル・ゴーグルとは
これは、いわゆるゴーグルというかメガネの類ではなく、もうすぐiPhoneで利用できるようになるアプリのことだ。アンドロイドを搭載したスマートフォンでは既に使用されている。
簡単にいえば、グーグルがキーワードからインターネット検索をするのに対して、グーグル・ゴーグルは画像から検索ができるのだ。携帯のカメラで教会でも絵画でも彫刻でも何でもいいから写真を撮れば数秒で画像認識ソフトがそれをスキャンしてくれる。そして、その被写体についてのあらゆる情報を提供してくれるのだ。
ガイドブックはもういらない?
例えば、マティスの"カタツムリ"という絵を撮ってみる。するとすぐに携帯端末の画面には様々なアート関連のウェブサイトが表示され、作者の経歴や、作品の展示についての情報が調べられるという具合だ。もちろん全て無料である。ガイドブックを持ち歩く必要があるだろうか?
実際、ロンリープラネットのオーストラリア版で言うと2008年には20,015部の売上だったのが2009年には13,530部に落ち込んでいる。他の旅行ガイドブックも軒並み部数を減らしており、今後も苦戦が予想される。

The end of the guidebook?
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