先進の人体監視モデル
現在先進メーカーは「体域ネットワーク(Body area network)」の研究に取り組んでいる。
体域ネットワークとは超小型のモニターとセンサーを使って身体の状態をモニターするシステム。
これらモニターとセンサーは、被験者の人体に装着するか体内に埋めこんで使う。モニターとセンサーは人体のデータを収集しそのデータをワイヤレスでコンピュータにデータを送る。超低電力テクノロジーを使っているので使用する電力が非常に小さい。
超低電力テクノロジーというのは、簡単に言えば、デバイスの物理的大きさを小さくして回路を短くする事でデバイスが消費する電力を小さくするテクノロジー。
Qualcomm社は特にこの「体域ネットワーク」の分野の先進メーカー。家庭用、産業用、医療用のデバイス市場でBluetoothやZigBeeを使った製品を精力的にリリースしている。
また現在同社はVerizon Wireless社、nPhase社とこのライフサイエンステクノロジーを使った合弁事業を行なっている。
通信システム「Peanut radio」
Qualcomm社は昨年「Peanut」と呼ばれる画期的なアルゴリズムを開発した。「Peanut」はこの超低電力通信ネットワークを可能にするアルゴリズム。
さらにQualcomm社はこの4年間、通信システム「Peanut radio」の開発に取り組んできた。あと1年で商品化が完成するという。
「Peanut radio」はアルゴリズム「Peanut」を使った通信システム。Nokia社のWiBreeシステムという最新の低電力Bluetooth規格と組み合わせて非常に少ない電力で動く通信システムを実現した。数インチから数メートル離れた距離で通信が可能。様々な分野への応用が期待されている。
以下、開発者Matt Grob氏のMIT 2010 conferenceでのコメント。
研究開発部SVPMatt Grob氏
システムがデータの通信に使う電力は1ミリワット以下。しかも通信のスピードは非常に高速。
「Peanut radio」のターゲットは産業用制御装置市場。産業用となると、大きな通信容量と長時間の使用に耐えるバッテリーが必要。質の高いモニタリング装置も不可欠。Qualcomm社はこのモニタリング装置の開発をすすめてきた。
「体域ネットワーク」はこの「Peanut radio」を医療の分野に応用したもの。「Peanut radio」のモニタリング装置が進化した結果、「体域ネットワーク」というシステムが可能になってきた。

Qualcomm's ultralow power tech targets body area networks
http://www.theregister.co.uk/2010/10/04/qualcomm_peanut/