自分史の公開や音楽共有へ
米Facebookが、サンフランシスコで行っているデベロッパー・カンファレンス「F8」において、現地時間22日、SNSに新機能を加え、その拡充を図ることを発表した。米国内外のメディア企業などと連携をすすめ、連動ソフトを増やしていくほか、利用者のプロフィールページも刷新するという。
新機能には、やはり先日報じたように音楽共有の機能も含まれた。このほかに、特筆すべきポイントとしては、プロフィールを「タイムライン」に変更。自分史のような形での公開形式を提示した点がある。
発表は、ザッカーバーグCEOによって行われ、その席でFacebookの利用者が8億人に達したことも発表された。これまでの5年間はこの利用者数の拡大に力を注いできたが、今後の5年はソフトの拡充、利用者とのきずなの強化に重点を置くという。
さっそく導入された機能および今後について
音楽配信のSpotifyや動画配信のNetflix、米新聞大手のUSA TODAYなどとの連携は決まっていることが明らかにされた。Facebookでは「オープングラフ」とよぶ情報共有の機能を強化し、各メディア企業などが対応ソフトを開発する。これにより、ユーザーは「いいね!」ボタンなどを押さなくても、コンテンツの利用状況を友人と共有できるようになるという。
音楽共有であれば、対応ソフトを通じて、音楽を聴けば、その曲目を友人に知らせることができ、一緒に聴いて楽しむといった使い方が可能になる。Facebookとしては、さまざまな企業に開発を働きかけ、さらなるSNSの利用促進を狙っており、機能拡充でライバルを引き離す考えだ。
「タイムライン」の導入は、これにより、ユーザーのFacebookへの写真の投稿や書き込みなどが、自動的に年表形式で表示されるようになった。年表のように整理されているから、これを公開すれば「自分史」の公開となる。表示内容のこうした拡充で、利用者間の相互理解を深めていきたい考えとみられる。
すでに22日から提供を始めた機能もある。オープングラフの機能強化に関しては、行き過ぎるとプライバシー保護の観点から問題視される可能性もあり、今後はその点が懸念されるだろう。Facebook側は、公開はきめ細かくコントロールできるものとし、そうした問題は回避できるという見方を示しているそうだ。
F8 Developers Conference 2011Facebook