ディープラーニングで自動色塗り!
株式会社アイビスモバイルは22日、同社の提供するお絵かきSNSアプリ「アイビスペイント」において、ディープラーニングの技術を用いた自動色塗り機能を追加搭載し、リリースしたことを発表した。ギャラリーから線画を読み込み、彩色をスピーディにアシストする。
「アイビスペイント(ibisPaint)」は、“描いてみた”を実現・共有できるお絵かきSNSアプリ。iOS 8.0以上、Android 4.1以上に対応する。ブラシ機能やレイヤー機能、マンガの描画に必要なコマ割りやフォント選択などのテキストツール機能、スクリーントーン機能、編集における選択範囲指定機能、豊富なカラー機能、背景色設定、高速でなめらかなパン・ズーム機能など、さらさらと快適に描ける、本格的で使いやすいお絵かき機能に加え、作画工程を動画としてアップロード、描く楽しさを共有できる点を特色とする。
初心者が絵の描き方を他のユーザーによる技法動画から学んだり、作品URLをTwitterやFacebookで幅広くシェア、提供作品をダウンロードしたりすることもできる。SNS内でのコミュニケーションや、線画担当・塗り担当といったクリエイターユーザー同士のコラボレーションも活発に行われており、マンガ制作から他のSNS向けコンテンツの加工まで、幅広い用途で利用されている。
今回、この「アイビスペイント」に、投稿されサーバに蓄積された60万点以上のユーザー作品から、ディープラーニング学習に適したものを約30万点抽出、いくつかの事前画像処理を施した上で、AWSの機械学習用クラウドサーバ(P2インスタンス)を用い、数カ月間のトライアンドエラーによる研究開発を経て、自動色塗り機能を実現・実装させた。
将来はプロの制作における省力化・効率化を実現するAIに
この自動色塗り機能は、「アイビスペイント」のアプリを入手し、線画を用意、タイトル画面で「マイギャラリー」から「+」ボタンを選択して、「写真読み込み」をタップ、彩色したい線画を選び読み込み位置を決定する。
次にツール選択ウィンドウをタップし、「フィルター」アイコンを選ぶと「人工知能」フォルダに「自動色塗り」が用意されているため、これをタップして実行すれば利用できる。
あまりイメージに合う彩色結果が得られなかった場合には、「色指定アシスト機能」を用いた修正・塗り直しが可能だ。カラー選択ウィンドウからブラシの色を選び、塗り直したい領域をタップしていくとよい。あまり長い線で指定せず、細かなタップでポンポンと色を置いていくようにすると、自然で美しい仕上がりになりやすいという。
なお「アイビスペイント」アプリには、iOS向けの場合、無料版の「ibisPaint X」と、有料版の「ibisPaint」(600円)があるが、この違いは広告表示の有無で、今回の自動色塗り機能を含むアプリ機能はすべてどちらでも利用することができる。
今後はユーザーからの投稿により、さらに線画のデータ動向が蓄積され、彩色の精度が向上していくほか、多様な人物、物体、風景の線画に対する認識率がアップしていくと見込まれる。
アイビスモバイルにとって、今回の自動色塗り機能がディープラーニングの初実用化機能となるが、引き続き描画におけるディープラーニング活用・表現、作業工程の省力化について、研究を進めていく方針といい、将来的にはプロの漫画家やイラストレーター、アニメの動画制作現場などでも、省力化・効率化のアシストが行える人工知能の開発を実現させたいとしている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社アイビスモバイル プレスリリース
https://www.ibis.ne.jp/「アイビスペイント(ibisPaint)」について
http://ibispaint.com/about.jsp