抗議デモでの利用の拡大、影響を恐れた措置
サンフランシスコの鉄道公社であるSan Francisco Bay Area Rapid Transit District(BART)は、現地時間12日、11日に複数の駅における携帯電話サービスを一時的に遮断したことを発表した。同日に発生した同社の鉄道サービスを妨害する活動計画が、携帯のネットワークを利用して組織されるという情報をうけたための緊急措置だったという。
公社の発表によれば、活動家らが抗議デモとして破壊活動を組織化。駅構内の治安維持を担当するBART Policeの位置や人数を連絡しあったりといった手段に、携帯を使うことが計画されていたとか。ラッシュアワーの騒乱が起これば、乗客や乗員の安全が確保できない。そのための緊急措置として、一時的にネットワークを遮断したと説明している。
Anonymousの反撃、世界に広がるデモの脅威
Bay Citizenの伝えるところによると、このデモ活動の発端は、7月にBART Policeの警官がチャールズ・ヒルという人物を射殺したことにあるそうで、これに抗議の声が上がっているのだという。11日夕方には、BARTの駅のいくつかで電車の遅延など、乗客の足に影響が出たということだ。
こうした携帯電話のネットワーク遮断に対し、ハッカー集団Anonymousは13日、「この検閲は許しがたい」とし、BARTに対する制裁の攻撃計画を発表した。14日にBARTの公式Webサイトをハッキングし、乗っ取ることや、15日にCivic Center駅で物理的な抗議行動を攻撃として行う予告がなされている。
この予告通り、BARTは14日にWebサイトの攻撃を受けたことを認めている。カリフォルニア州交通安全局のWebサイトもトップページの画像が改変されるなど、乗っ取りがなされており、一連の攻撃にあったものとみられている。
ロンドンの暴動にもみられるように、世界でSNSなどネットワークを介した抗議活動が多発している。それに対する警戒も厳しくなっており、また一方でその警戒に対し、ハッカー集団も過敏に反応するという構図が生まれつつあるようだ。インターネットがあらゆる形で浸透した“戦い”が止まらない。
Bay CitizenAnonymous発表文BART