1万円以上10万円未満の放射線測定器の性能を調査
国民生活センターは9月8日、「比較的安価な放射線測定器の性能」と題して、国内で販売されている1万円以上10万円未満で購入できる9銘柄と、校正済の参考品1銘柄についてのテスト結果等について、報告書を公表した。
「測定器の示す値を直ちに信頼することは避ける」こと
「報告書」によると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、3月11日の震災以降7月末までに「放射線測定器」に関連すると考えられる相談が391件寄せら、1万円~10万円未満のものが全体の約63%を占めるという。
国民生活センターでは、こうした「比較的安価な放射線測定器」の性能を調べるため、楽天、Yahoo!、Amazonのショッピングサイトで「売れ筋」「おすすめ」等で上位に掲載されていた1万円以上10万円未満の放射線測定器で、入手できた9銘柄をテストした。
「主なテスト結果」として、
・自然放射線の測定試験
参考品を除く9銘柄は通常の環境程度以下の自然放射線を正確に測定できなかった。
・セシウム137由来のガンマ線測定試験
参考品を除く9銘柄は、照射線量率と測定値に相関がみられたが、総じて正味値が低く、ばらつきも誤差も大きいため、正確な測定はできなかった。
など、低い評価が示された。
自然放射線の測定試験では、「0.06マイクロシーベルト/h以下の低線量を正確に測定する性能が無く、食品・飲料水などの暫定規制値である、200~500ベクレル/kgの線量率は測定できない」としている。
消費者へのアドバイスとして「測定器の示す値を直ちに信頼することは避ける」などとし、注意をよびかけている。
国民生活センター 「比較的安価な放射線測定器の性能」同上 報告書詳細