省エネ&予備バッテリーの持ち歩きから解放される?
スマートフォンを愛用していて、困ることといえば、第一にバッテリーの持ちの問題があるだろう。もうバッテリー切れ…とため息をつくことも多いはずだ。そんな人に朗報な新技術が登場した。Michigan大学教授Kang Shin氏と同大学博士課程在学中のXinyu Zhang氏のグループが開発したもので、21日ラスベガスでのACM International Conference on Mobile Computing and Networkingで発表されたとみられる。
通常、スマートフォンには節電モードがある。しかし、この設定をして、特別操作を行っていない状態であっても、着信情報の待機や電波探索などに多くの電力を消費してしまっているのだ。彼らの調査によると、この待機状態で最大80%程度電力が消費されているという。
そこで、この電源管理を見直し、新しいアプローチを開発したのだそうだ。「E-MiLi」(Energy-Minimizing Idle listening)と名付けられたこの方法では、待機状態の消費電力を、最大で現状の16分の1にまで落とすことに成功したそうだ。もちろん、着信情報を得たら、即座に使えるようになっている。
着信認識がポイント!将来導入されるようになるか?
CPUのクロックを下げれば節電につながることはわかるが、そこからどうやって確実に着信を認識させ、すぐに反応させるということを可能にするか…ここが開発時のポイントだったという。
彼らによれば、通常、メッセージにはヘッダーが付いており、スマートフォンはこれを検知できるはずと考えた。これが今回のアイデアにつながったのだという。
ただ、まだ実用化には課題もある。実現するには、スマートフォンに新しいファームウェアを導入し、着信情報にE-MiLi専用のヘッダーを埋め込む必要があるのだ。
Shin氏によれば、E-MiLiヘッダーに埋め込まれたメッセージは、現在発売されている各種スマートフォンでも受信可能で、新たにE-MiLi用ファームウェアを導入したスマートフォンとの間でのコミュニケーションにも問題は生じないという。
この新技術、実用化につながるか?もし実現化すれば、バッテリー問題はかなり改善されるかもしれない。
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