需要拡大を見込み、韓国・台湾勢に対抗
東芝とソニーが、スマートフォンなどに使用される中小型の液晶パネル事業の統合する検討を進めていることが7日、明らかになった。報道によれば、今月中の基本合意をへて、年内にも新会社を設立する方針だという。ただし、現段階では東芝、ソニーとも正式発表は行っていない。
新会社設立には、官民出資の投資ファンド「産業革新機構」が出資を行う見込み。実現すれば、大手2社メーカーに官が加わった官民一体で、この分野における国際競争力アップを目指すことになる。
液晶のシェアでは、日本メーカーは韓国、台湾のアジア勢に価格面などから大きく引き離されている現状がある。しかし、大型液晶とは異なり、より高い機能、技術が必要とされる中小型液晶では、ある程度優位に立てている。今後、スマートフォンの拡大、タブレット端末の増加が見込まれるなか、中小型液晶への需要は高まっていくことが予想されるため、この事業統合が実現すれば、大きな意味をもつ可能性は高いだろう。
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blakespot次世代型有機ELパネル開発も
さらに、新会社では液晶のみならず、より高精細かつ消費電力がおさえられるとして注目の次世代型有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの開発も進めるという。この新パネル事業は、現在韓国サムスン電子が世界シェア8割を握っている分野であるが、事業統合により、東芝とソニーは量産化をすすめ、成長分野で新たな地位を確立したい考えがあるようだ。
東芝モバイルディスプレイ(埼玉県深谷市)とソニーモバイルディスプレイ(愛知県東浦町)。事業統合が実現すれば、今後生まれる新会社に注目が集まる。

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