iCloud、最強のクラウドサービスになるか
Macファン注目の
WWDCで発表された「
iCloud」。その詳細が、7日、日本でも
Appleからプレスリリースされた。
iCloudの最大の強みは、すべてのデバイス(
iPhoneなどのモバイルに限らず
Macも)が、
iCloudと
完全に連携するところだろう。言い方を変えれば、
iCloudを頂点として、すべてのデバイスがシンクロするのだ。
あるデバイスに保存されたコンテンツは自動的に
iCloudにアップロード(保存)され、そのコンテンツはその他のデバイスで、いつでも確認・変更できる。これは単にデータだけの話ではない。
App Storeで購入した
アプリまでも、すべてのデバイスにダウンロードできるようになるのだ。
その「保存先」とも言える
iCloudは、容量
5GBまで無料だ。
5GBは物足りないだろうか?
Appleはこう言う。
Appleから購入した音楽、アプリケーション、書籍の保存に使われるスペース(中略)は、この合計5GBの容量には含まれません。
なんという「太っ腹」だろうか。
iTunesに最終兵器?「iTunes Match」
iCloudにおけるもうひとつの特筆すべき点は、
iTunesのクラウド化=「
iTunes in the Cloud」だろう。
iTunesで購入したもの(
過去に購入したもの含む!)は、ユーザーの
すべてのデバイスでダウンロード可能になる。
それだけではない。さらに、真骨頂の機能「
iTunes Match」がある。
iTunes Matchは、ユーザーの
iTunesライブラリをスキャンして、マッチする曲=同じ曲を探し出す。そして
iTunesストア内の
1800万曲のライブラリの中から、同じ曲を
すべてのデバイスに提供するのだ。つまり、これまでユーザーがCDからせっせと
iTunesに読み込んだライブラリを、また新たにせっせと
iCloudにアップする、ということをしないですむのだ。
この「
iTunes Match」の利用には年
24.99ドル(約2000円)かかる。しかし、この機能の意味を、
TechCrunchはこう言う。
Appleは「年に$25払うだけで、現在ユーザーがハードディスクに持っている曲を全部合法化できる」と言っているわけだ。
iOS5とiCloudはコンピュータの未来を変革するのか
こうした、新しい
iOS5と
iCloudのあり方について、
builderは、
(Appleは、モバイル端末を)これまでのデスクトップの補助的扱いから、クラウドの力を借りつつ独り立ちさせよう
としている、と分析する。
Apple自身も「
PC Free」という言い方をし、
iOS 5では、もうiPad、iPhone、iPod touchをコンピュータにつなぐ必要はありません。
と言い切る。
デスクトップがPCの「恐竜」になると言っては言い過ぎだろうが、
iOS5と
iCloudの登場により、モバイル端末の意味、存在意義はがぜん変わってくるのかも知れない。

Apple
プレスリリース「
Apple、iCloudを発表」
iOS5詳細TechCrunch
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