光パケット・光パスネットワークアーキテクチャを実演
7日から10日、幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2011」で、情報通信研究機構(NICT)は、研究開発を続けている光パケット・光パスネットワークアーキテクチャの実演デモンストレーションを行った。
現在のインターネットはパケット交換方式のネットワークだ。通信内容はパケット分割され、到達に関し時間保証や順序は保たれない。つまり本来上、ストリームデータには不向きなプロトコルともいえるのだ。しかし、現実には動画データなど多様なデータが扱われることが当たり前となっており、ストリーム式への需要は高く、負荷は増える一方だ。
そこで、NICTが研究開発しているのが、この光パケット・光パスネットワークアーキテクチャであり、これは次世代のインターネットのネットワークを見据えたものといえる。Interop Tokyo 2011では、その試作環境が公開された。
その特徴と魅力とは?
光パケット・光パス通信の特徴は、光信号のままスイッチングすることにある。これにより高速化が可能なほか、無駄も大幅にカットできる。パケット通信は従来型の通信に、パス通信は大量の動画データや高品質音声サービスなどにと分けて利用することで、さらに効率的に運用できるということだ。まさに利便性と省エネ化が実現される。
パケット通信とパス通信は波長の違いで自在に配分できるようになっており、混雑状況に応じて動画や音声を優先させたり、空いていればパケットを大量に流すなど、柔軟に使用できるそうだ。会場では、小金井にある同所の研究施設から4Kの動画をパス通信で配信し、再生したが、同時に光パケットによるさまざまな負荷をかけてもその再生に影響は見られず、あらためてその安定性も立証された。
今後さらに相互にやり取りするデータ量が、多様なかたちで増えていくことが必至のインターネット界。この次世代ネットワークが、さらなるIT発展と安定した環境を支える日も遠くはないだろう。
情報通信研究機構(NICT)