「カオス*ラウンジ」問題での批判…騒動に対し釈明
イラストソーシャルネットサービスで知られる「pixiv」を運営するピクシブが27日、アート団体「カオス*ラウンジ」をめぐる一連の問題および同社に対する批判への釈明を発表した。愛用するユーザーらに謝罪し
「創作活動が快適に行える場でありたいという基本に立ち戻り、現状の体制について深く反省」
今後改善を進めていくとしている。
そもそも「カオス*ラウンジ」問題とは何だったのか。まずことの発端は、「カオス*ラウンジ」のメンバーが多数のイラストを使ったコラージュによる作品を発表したことだった。そして、ピクシブの片桐社長と「カオス*ラウンジ」がともに美術雑誌で紹介されて話題となったこと、またコラージュの素材にpixivが実施したイラストコンテストの応募作品が含まれていたといった報告があったことから、ユーザーらの不満が爆発。pixivと団体の癒着やイラストの無断使用を指摘する批判が集まった。
この動きに対し、「カオス*ラウンジ」に関連したものを素材に使った二次創作作品に“現代アート”とタグをつけ、次々と作品を投稿するなど、批判を込めたとみられるユーザーも登場。こうした作品や投稿ユーザーのアカウントが次々削除される一方で、同団体のメンバーのアカウントは生きていたため、なおいっそうpixivへの批判が高まっていた。
関係性は否定、相談にも応じる姿勢で収束をはかる
こうした問題が波紋を呼んで大きく膨れ上がり、他に流れるユーザーが発生したほか、激しい議論が繰り広げられる事態となったため、pixiv側も釈明するにいたったというのが今回の大まかな経緯だ。
釈明では、「カオス*ラウンジ」メンバーとピクシブ社の役員や社員との関係性は一切ないこと、イラストの無断利用の許可も行っていないこと、同団体メンバーのアカウント停止が遅れた(26日に停止で対応)のは、イラスト権利者からの明確な連絡がなかったためであること、特定のタグ、ユーザーを削除している事実はないこと、などが主に記されている。
ユーザーに対し
「多大なるご心配、ご懸念を抱かせる結果となりましたことを深く陳謝いたします。」
と謝罪し、今後、社外専門家等の意見を取り入れながら、著作権問題にも迅速に対応していくこと、運営責任を自覚してあらゆる相談を受け付けることを表明して、問題収束をはかっている。
SNSならではの問題性、現代アートの持つ問題、“芸術”と“創作”、“模倣”、“改変”、“オリジナリティー”…この騒動には、多岐にわたる問題、各思想がからんでおり、結果として非常に難しい問いかけを含むものとなった。果たしてこれで騒動は決着を見るのか、今後こうした場での“創作”活動はいかにおこなわれていくのか。今回の問題一つにしても、まだまだ予断を許さない感も否めない。
pixiv