Mapsの混乱などで事実上の引責辞任か
米Appleが現地時間の29日、「iOS」の統括責任者であるScott Forstall上級副社長が2013年年明けにも退任することを発表した。その理由については述べられていないが、iOS最新版でみられた自社製地図ソフトのMapsにおける混乱発生などが原因ではないかとみられている。
このForstall氏の事実上の引責辞任だけでなく、小売部門責任者であるJohn Browett氏も退任することが決定しているという。時期はForstall氏よりも早いものとなるとされ、Browett氏の後任は、現在模索中という。
幹部人事刷新で今後の動向に注目集まる
Browett氏の後任が決定していないことなどから、今回の決定は、かなり突然のことだったと思われる。Appleによると、Forstall氏の後任は事実上、「OS X」を統括するCraig Federighi氏となる予定で、彼が今後同社のOS両グループを率いていくこととなる見込みだ。
このほか、John Ive氏は全社を通してのヒューマンインターフェースにかかわる部門の統括を担当するとともに、トップデザイナーの職務を継続して担当する。Eddy Cue氏はSiriやMapsのほか、iTunesなどのAppleにおける様々なデジタルストア展開、オンラインサービス展開の統括を担う。彼らの職責は大きく拡大されるようだ。
また元ハードウェア責任者であったBob Mansfield氏を幹部の職務に戻す予定であるという。今年に入り、幹部職務からは外れていたが、CEOのTim Cook氏のもと、将来の製品開発に取り組むため、Appleに留まっていた彼が、今度はテクノロジーグループの統括にあたる。
こうしたAppleの大幅な幹部人事刷新着手が、市場にどのようにとらえられるか、また今後の動きにどのような影響を与えるかは、現在のところ未知数である。

Apple Press Info
http://www.apple.com/pr/library/2012/10/