室内環境でも自分の居場所がスマホなどでわかる世界が実現へ
コンピュータネットワーク機器開発などを手掛けるCiscoが、Wi-Fiを活用した新技術の位置データ分析プラットフォームを公開し、話題を呼んでいる。この技術は室内型のGPSともいえるもので、ショッピングモールや空港、博物館など、さまざまな屋内環境においても、自分の居場所を的確に知ることができるというものだ。居場所が分かるだけでなく、その場所に応じたサービスを受け取ることもできるという。
たとえば、ショッピングモールにユーザーが足を運ぶ。すると、スマートフォンにそのモールがアプリを提供しているというアラートが届く。アプリをインストールすると、自分の居場所が分かる地図が表示できるようになったり、すぐそばにあるショップの情報などを得ることができるようになったりするといった具合だ。ときには、割引券なども発券されたりする。
利用者情報の獲得で提供者にもメリット
Ciscoは、ショッピングモールやイベント会場、博物館など、さまざまな場所で無料のWi-Fiアクセスをユーザーに提供し、見返りとしてユーザーから位置情報およびその利用許可を得る。
屋内環境の管理者やショップ運営者は、ユーザーによりその施設を便利に使ってもらいやすくなるほか、ピンポイントでキャンペーン情報を通知したり、割引券を出したりすることができ、高い販促効果などが期待できる。
もちろん個々のユーザーは、初めての場所でも迷子になることがなくなり、お得な情報もタイムリーに得られるというメリットがあることになる。とくに広い施設などでは重宝しそうだ。
Ciscoでは、モバイルチップベンダーのQualcommとパートナーシップを結んだことについても公表しており、Qualcommがこの新技術をチップに埋め込み、2013年初頭にもデビューさせる予定という。それぞれにおいて新たな価値が見出される技術として、今後の展開が注目される。

Cisco プレスリリース New Solution
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