データ通信量増大に対応
日本電信電話株式会社(NTT)と日本電気株式会社(NEC)、富士通株式会社の3社が共同で、世界最高水準の1チャネルあたり毎秒400ギガビットの光伝送技術の実用化に向けた開発を開始したと発表した。
インターネットやスマートフォンの急速な普及に伴う、近年のデータ通信量の爆発的な増大に対応し、2014年までには実用化のめどをつけたいとしている。
市場では現在、毎秒100ギガビット級の光伝送方式の実用化がスタートしているが、同社らは、今後のビッグデータ社会到来などを考えると、データ量増大は予想を超えるだけでなく、通信量の変動は非常に大きなものとなると考えられ、それに耐えうる柔軟なネットワーク構築が不可欠であるとしている。
(ニュースリリースより参考イメージ図)
次世代へ…省電力性も追求
またこの超高速性を追求するだけでなく、次世代技術として省電力性も追求していく。一般に光通信は高速化すればするほど消費電力は増加するが、今回は伝送速度を引き上げたうえで、装置数を減らし、消費電力は従来の半分以下に抑えることを目指すとしている。
これにともなって伝送方式も変更して、現在の位相変調方式から、直交振幅変調方式へ切り替える。これで光の波が振動するタイミングだけでなく、光の波の振幅にも情報を乗せて伝えることが可能となるそうだ。
3社ではこれまでも共同開発を進めてきたが、今回は総務省の委託研究「超高速・低消費電力光ネットワーク技術の研究開発」を受託する形で新たに着手したという。
より速く、より省エネに――早期の実用化が望まれるところだ。

NTT ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news2012/1212/NEC プレスリリース
http://jpn.nec.com/press/201212/富士通 プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/12/